英才の拾い物
□拾い物と小休止
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「おはようございます鍾会さん!!」
「…。」
にっこり笑って既に服を着替えている三毛。
昨日あんなことがあったからか…まともに顔が見れん…。
ふいっと顔を反らすとひょい、と除き込んできた三毛。
ぱちり、と視線が合って、どき、と心の臓あたりが鳴る。
顔に熱が集まる。
「鍾会さん?」
「っ、な、なんだ!!」
こいつは平気なのか!?
こんな、朝から、ち、近…!!
こつん、と額同士があたる。
「…鍾会さん、熱いですよ?まさか、風邪じゃ…!?」
お前のせいだお前の!!!!
なんだこいつ!!照れてる私が馬鹿みたいじゃないか!!
「鍾会さん?」
「っ、違、熱など無い!!よるな!!」
三毛の額を押して顔を離す。
心配してるのに、なんてぶつくさ言っている三毛を尻目に寝台を降りて着替え始める。
昨日の今日だ。
もしかしたらまたこいつが借り出されるかもしれん。
………今日は連れていくか…。
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