英才の拾い物
□英才の拾い物
2ページ/6ページ
「鍾会様、それは…」
「気にすることはない。ただの猫だ。」
「いやどう見ても人…。」
「…ただの拾い物だ。」
陣中へと戻ればなんと目立つことか。
いつも以上に注目を受け、いつも以上に質問をうけた。
こんな女、私だって好きで持ち歩いているわけではない!!といってやりたいところだが、それでは何故、などと返されることが目に見えている。
しかし、結構乱暴に持ち運んでいるが一向に起きないな…なんだこいつは…。
「…まぁ、いい。」
ゆっくりと女を降ろし、ないよりはましか、と布をかける。
「こいつが起きる前に終わらせるぞ。」
初対面で話してもいないのにさらりと頭を撫でてみると何故か顔が綻んだ。
私としたことが、なんて思いながら立ち上がる。
さぁ、まずはこの戦を終わらせる。
この私が出るのだ。
負けなどあり得ない。
.