英才の拾い物
□英才の拾い物
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まさかこの場所に人がいるとは。
「…ぐぅ。」
ぐぅ、じゃないだろう。
規則的な寝息をたててまだ少し幼い女が倒れて…いや、寝ている。
この様子じゃまだこちらにきて間もないのだろう。
周りに気にせず木陰ですやすやと眠っている。
妖魔に見付からなかっただけ運がよかったとしておこう。
しかし…。
「こんなものを見付けるとは私の方がついていないのかこの女がついてるのか…。」
ここでこの女を置いていくのは簡単だ。しかしそれで妖魔に捕まったりしたら?
実は強くて妖魔に操られたりしていたら?それに遭遇してしまったら?
私の気分が悪くなる。
「…こんな世界での拾い物というのも、面白い。」
ひょい、と女を持ち上げて、陣中へと歩き出した。
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