Be quiet!!!!
□なんだか慣れてきました。
1ページ/3ページ
「光殿、ほわ・・・ほ、ほわいと、?」
「・・・?え、何?ホワイト、何?」
「さ、佐助ぇ、」
「ほ、わ、い、と、で、ぃ、」
「ああ、ホワイトデー?」
いったいどこでそれを見たのか、幸村・・・ではなく佐助の口から紡がれた言葉に苦笑いをする。
「とは、なんでござるか?」
「何、か。うーん・・・。」
そういえば朝のニュースでやってたなーとかぼんやりと考える。
それにしても、ホワイトデーの説明か・・・よく考えたらバレンタインの説明をしなきゃならないのでは?お返しをする日であるし。
「ええとね、今日の一月前にバレンタインってのがあってだね。」
「ば、ばれ・・・??」
「バレンタイン。」
「ばれん、た・・・い?」
「・・・大将、ば、れ、ん、た、い、ん。」
「ばれん、たいん。おお!ばれんたいん!して、それとほわ、ほわいとでいとは関係が?」
「・・・うん。」
何でこんなに幸村はカタカナが駄目なんだ・・・むしろそれで何故政宗さんと会話していられる?
いやまぁあれだろう、好敵手だから雰囲気で分かるのだろう。いやあ、ライバルってすごい。
「そのバレンタインってのは、好きな人に、あー、・・・?甘いものを送る日で、今日はそのお返しをする日。」
「お返しに一月もかけるの?」
「甘いもの、甘味・・・を、好きな人に・・・!?はっ破廉恥!」
「待て、今のどこが破廉恥なんだ。」
好きな人に甘味を送る。それのどこが破廉恥なのか私にはまったくわからないよ幸村くん。
「お返しに一月かけるのは・・・ええと、よくはわからないけど。告白に使うこともあるし、そういうのの返事も考えて・・・、あ、ホワイトデーも甘味のお返しするんだけどね?」
「・・・ばれんたいんは甘味がただで貰える日・・・」
「まぁ、それで合ってるね。ホワイトデーはあげた分帰ってくる日。」
あ、でも義理や友情でも甘味を贈り合うな・・・。まぁいいか、その辺は割愛。
・・・ん、そういえば海に貰ったな・・・お返し作らないと・・・うえええ・・・。
--
「・・・。」
光に作ったら我が家の居候にも作らなければならないフラグが立っている・・・びんびんだ・・・面倒臭いぞ・・・。
しかしキッチンから向こうは見えるし向こうからキッチンも見える。ばれるのは時間の問題だ。
時間の問題、って、いう・・・か、
「おっ?海なんか作るのか?」
「おい長曾我部、海は覗くなって言っただろうが。」
「あ?そうだったか?悪ぃな海。」
アニキ、天然はいいんだけど。なんですかその期待の眼差しは。
注意したこじゅにちょっときらきらした視線を政宗が送ってそれがこちらに来る。ああ、やめれそれ。
慶次も家康もさりげなく期待の眼差しだし、勝家のそれは何だ、たいして気にしてないならこちらを見るな!!
・・・作るのやめたい・・・。
--
「それ、うまいんですかぁ?」
「美味いですよ?食べます?」
「食ってもいいわけぇ?」
「どうぞ、食べられま・・・だぁあああああっ!!!待った!語弊がありましたね!!!!全部は駄目です!!!!!」
チョコレートを溶かしてまた固めるだけの簡単なお仕事の溶かす段階の最中、何故だかずっとじろじろ見てた又兵衛様に危うく全部食われるところだった。危ない危ない。
しっかり阻止をしたら舌打ちをされた。ごめんなさい。何なんですか。
「ちょっと舐めるくらいにしてくださいよ・・・。」
「だぁって今食わないと他に配るんでしょ?」
「・・・はぁ、ええと、」
「オレ様のこと見てるっていったくせに。」
「・・・それとこれとは違うような、」
「違いませぇん。」
・・・ああ、何でこんなに可愛いのだろうこの人、これは私を絶対に殺しにかかっている。
というか、この気に入られ方は異常だ、そんなに見てますって台詞はあれだったのだろうか!?
「光」
「あ、吉継さ・・・?元就さんも、どうしたんです?」
「一日一つでは持たぬのよ。」
「書物は無いか。」
「・・・あー、えっと、待ってくださいね。」
今日の分の新聞を掲げながら言われた言葉にあちゃあ、と苦笑いをする。
やっぱり新聞一部じゃ足りないか・・・チラシもあるしな・・・。
時間見つけて本屋に行こう。・・・って、
「又兵衛様!!!隙を狙わないでください!!!!!!」
「チッ」
--
いつの間にかあたしが料理するその前には全員が集まっている。いいからBASARAしろお前らは。
というかあたしは覗くなと言ったはずなんだ。何故いつもいい子の家康やこじゅまで見ているのだろうか!?
誰か諌めてくれ、誰でもいいから!
小さく溜息を吐くとインターホンが鳴った。慶次と勝家の肩が跳ねた。ちょっと可愛いとか思ってしまった。
・・・というか、あれ?
「お客さん?」
「海、俺が」
「ちょっと待ってこじゅはやめて。あたし行くから。」
格好いいけどこじゅ、君は堅気に見えないんだごめんね・・・。
--
「えっはやっ」
「とっとと避難させないと又兵衛様が食べるから、っぎゃひぃ!!」
「やぁっぱり。」
「え、・・・な、仲良しだね?」
やってきたのは幼馴染み。その後ろには又兵衛さん。怖い。
つけられてたのを知らなかったらしく脇を掴まれて光はまたなんとも変な声を・・・。それに仲良しですねとしかいえないあたしを許せ。
ちょっと引いたような眼差しで見ていると又兵衛さんがこちらをちらっと見てにやっと笑う。なんだそれは怖いぞ悪寒走ったぞ。
呆気にとられている間に又兵衛さんは光の持ってる包装されたあたし宛のものをひょいっと取り上げた。それにまた呆気にとられる。
「あっこら又兵衛様!!それは海のですから返しッ・・・くっそ!背筋伸ばすと背が高いよこの人ぉぉぉおおおおおお!!!!」
「いーじゃないですかぁ、ちょっとくらい。」
「ちょっとじゃないですよ!半分くらい隙見て食べたじゃないですかぁ!!!!」
それはちょっと食べすぎですね又兵衛さん。大人しくその光お手製をあたしに寄越すんだ。
腕を伸ばしてひらひら揺らしてるそれを取ろうと光も必死に手を伸ばしてる。ああ、ありゃ一生かかっても届かないな。
ちょっと溜息。思うんだけど、光はいつの間に仲良くなるんだい?え?
「そんなに気に入ったなら他にも作りますから!」
「オレ様だけに?」
「えっ、それは難しいかと・・・」
「じゃあやぁだね。」
「意味分からん!!!!!!!!!」
・・・光ちゃん、あたしも作っているのだよ、早く済ませてくれ・・・。
.