Be quiet!!!!

□風邪っぴきました。
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「もしもし、叔父さん?」

『久しぶり、叔父さんです。』

「風邪引きが出てね。」

『え?光ちゃんじゃないような言い草だね?』

「私じゃないよ。」

『な、なんだって!?同棲!?ところで何人!?』

「同棲人数は私入れずにええと・・・ひぃふぅ・・・八人?」

『!?で、風邪引きは、』

「一人。・・・と、私。」

『あれ?でも光ちゃん違うっていったじゃん。』

「ちょっと具合が悪い。」

『ふぅーん。』

「来てくれる?」

『うん?行ける行ける行く行く。ところでその子は女の子?』

「え、男だけど、」

『!!!!?????』

「・・・叔父さん?」

『何それけしからん!!!叔父さんも住む!』

「ごめんうざいからやめて?」

『光ちゃん、気をつけなきゃ駄目だよ男はオオカミだよ、』

「はぁ・・・?」

『え、もしかして八人全員とかそんな、』

「なんでわかるの」

『はぁ!!!??駄目だよ!!!貞操の危機じゃんか!!!!!』

「いやいやいや、」

『いいかい?絶対に駄目だよ海ちゃんがいるからってそんな、海ちゃんだって女の子なんだし、』

「とりあえずきて?」

『うん行くね!!!でも話聞いて!!!!』


--


「ちょっと光っ・・・!!切れた!!!ありえない!!!叔父さんショック!!!!」


久々に来た姪からの電話といえばなんてそっけない。相変らず姉さんに似てる。ちくしょう。

さて、支度して行きますか、風邪引きだから風邪薬とー、それから・・・。


「・・・マスクしていこ。」


--


さて、電話も終わったことだし卵粥作り始めよう。

ふぅ、と息を吐いて立ち上がる。切った携帯はポケットに突っ込む。

下に下りていくとやっぱりBASARAをする三成。一緒にしてるのは左近か。

その周りには全員。仲良く順番にやるんですよー、なんて声をかけたらちゃんと返事をしたのは左近と官兵衛さんくらいである。

それに苦笑いをして台所に立つと、元就さんがこちらへと来た。珍しい、ときょとりとする。


「書物は無いか。」

「書物、ですか。」


ああそうか、つまらないのだな。そう思って考える。

書物、書物・・・そういえばじいちゃんの置いていった古い書物あったかなぁ。

というか古い書物じゃなくてもいいなら沢山あるのだけど・・・文字は読めるだろうか?


「文字、読めます?」

「馬鹿にしておるのか。」

「そういうんではなくてですね・・・。」


現代と昔では字の形が多少違うことを説明。ためしに新聞紙を持ってきて渡してみた。


「・・・。」


眉間に皺が寄った。大丈夫なのか。


「・・・これでよい。」

「は、」

「これは他にもあるのか?」

「ええと、捨てる前のなら沢山ありますけど・・・あ、ちなみにそれ今日の分です。」

「毎日出るのか。」

「はい。」

「・・・ふむ。」


どうやら気に入ってくださったようだ。ほっ。

私はちらちらとしか新聞読まないから、新聞も読んでもらえるに越したことは無いだろう。

また居間の方へ歩いていった元就さんにくすりと笑った。渋い。

・・・あれ?


「何してたんだっけ・・・あっ、佐助の粥。」


そうだった忘れるところだった。


--


・・・暑い。


「・・・ごめん大将、」

「いや、某が言い出したことゆえ。」

「あ、いや・・・額の手拭い替えてくれない?」

「ああ、承知した。」


熱が上がってきたようだ。汗が出てきたような気がする。そして何より、暑い。

少しだけだるくなってきた。くっそ、へばってる場合じゃないというのに。

ほぼ荒い呼吸に流されて、溜息が出た。すると額に手拭いが置かれる。

冷たい。


「はぁ・・・。」

「佐助、水分補給はしておいた方がいいと、光殿が。」

「ん・・・。」


起き上がってそれを飲む。あ、こっちも冷たい。

それにしても、なんて失態だ。本来なら今の大将にこんな姿、見せるべきじゃない。

俺様がしっかりしてないと、いけないのに。

でも体は正直だ。疲れてたんだな。気を張りすぎたのもあるか?しかしこのような状況で、気を張るなというほうがおかしいってものだ。

周りのことはわからない。見知りもしない女の子の家で、大切な大将もいて、怪しい大谷の旦那やら毛利の旦那やらと一緒で・・・。

武器もなし、といえどもいつ寝首をかかれてもおかしくない。

光だって。まだわからない。いや、一見何も出来ないような奴だけど。

ただの女の子って感じだけど。

容器の半分ほどまで飲んで、それを大将に渡す。ありがと、と声をかけると心配そうな顔して笑った。

それからまた倒れる。眠気がくるんだけど、大将がいるとどうも・・・いや、大将がいるからこそ、寝れるっちゃ寝れるんだけど。


「光殿っ!・・・?その、殿方は・・・?」


目を閉じたと同時に発された大将の声につい目を開く。


「叔父さん。」

「お・・・叔父っ!?」

「やぁ、で、それが患者?」


・・・おいおい、冗談だろ。叔父って、叔父って・・・。

叔父でその顔か、何その若作り、おかしいんじゃないのもう人間じゃないんじゃないの。


「あ、腕は確かだから安心してね?」


ぱちん、と片目を閉じたあれは・・・確か竜の旦那がういんくとか言ってたな・・・。


--


「てなわけでちょっくら見舞いに、」

「伊達氏は微塵も話を聞いていないな。」

「政宗様、どういうおつもりですか。」

「どういうって、そりゃ、忍がへばってるなら真田幸村がしょぼくれてんだろ?俺が行けば一発だ!」

「政宗、馬鹿か?」

「ちょっ、家康アンタいつからそんな辛辣に、」

「そんじゃ俺が一発行ってくるぜ、」

「ちょっと待て長曾我部。おめぇが行ってどうする。そして何になる。」

「・・・。」

「目線泳がせんじゃねぇ。」

「勝家が行ってきたらどうかな?まぁ、様子見に、さ。」

「・・・私、か?」

「それなら俺が行ってもかまわねぇだろうが!!!」

「そして変にたきつけられて苛々しながら帰ってくるんだろ?あ?」

「・・・。」

「元親・・・都合が悪くなったら黙るのは駄目だ。って海ちゃん言ってたよな。」

「いや、うん・・・うん・・・。」






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