Be quiet!!!!

□猫だか犬だか猿だか
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「・・・は?何これ、」


自室の窓の向こう側の窓に『政宗立ち入り禁止』の文字。ええと、何これ。家康の次は政宗?


「まぁいいか、今行くのはあたしだけだし。」


既に姿の戻った犬猫、慶次と勝家への説明は他の皆に任せてるし、とりあえず向こうは何が来たのか、そして会議が出来る常態か。

それを聞こう。


--



「・・・カオス。」

「ぎいいいい待って!すみません!!!嘘を吐いたのは謝りますっ!!でもでも、武器も無いのにそんな、ああ!!!なんでちゃっかり閻魔帳は持ってきてるんですか!!!」

「居るってんなら殺すぅぅうううううううう!!!伊ぁ達ぇ政宗えええええええええええええええええ!!!!!!」

「官兵衛さんも手伝ってください!!よ!!!!!棒立ちしてるんじゃない!!!愚図!!!」

「愚図!!!????」


・・・出直そうかしら。

来たのは又兵衛さんか。なにやら錯乱している又兵衛さんの腰に光がしがみついている。

うん、出直そう。政宗立ち入り禁止の文字の意味もわかったし。・・・巻き込まれたく、ないし・・・。


--


「てなわけで向こうは又兵衛さん来てたんだけど・・・でも勝家こっちにいるってことは左近も来てるのかなぁ。」

「三成さんにくっつく犬なら見たよ。」

「有力情報ありがとう慶次。左近だね。」


致し方が無いのでこちらはこちらで会議を始める。どうやら左近も来たようだ。


「ええと、そういえば慶次でいいかな?勝家は勝家で大丈夫?馴れ馴れしい?」

「・・・構わない。」

「俺も構わないよ!こっちこそ、海ちゃんでいいかな?」

「うん、いいよ。というか海って呼んでもらいたいな、うん。正直。」


家の中で苗字で呼ばれるのはちょっと。違和感というか。うん。

まあね、あんまり家に人を呼ぶとかしないからね。

さてさて本題に戻りまして。


「何か有力な情報とかは?」

「んー、政宗たちから聞いた話から考えると、新しい情報は無いかなぁ。」

「私も特には・・・こちらに来たときの様子も、こちらに来た直前の行動も、聞いた話となんら変わり映えしない・・・。」

「そっかぁ・・・。」


なんとなく予想はしてたけどなにも手掛かりが無い。これ本当に駄目でしょ。

やっぱり一年コースというのか。勘弁してくれ。親が帰ってきたときなんて説明すればいいんだ。

しかし、うむぅ・・・。


「・・・んー・・・。」

「勝家、gameしようぜ。」

「げぇむ・・・?伊達氏、待て、げぇむとは・・・」

「やればわかる!」

「おっ面白そうだねぇ!俺も俺も!」

「政宗様!」

「こっこら、海がまだ悩んでいるだろう!」

「つか、二人は着替えさせねぇでいいのか海?」


いいわけないでしょう・・・なんか、帰れる帰れないより今の状況に頭を抱えたくなってきた・・・。


--


「・・・と、いうわけなのです。狂気はしまってください又兵衛さん。歯を食いしばらないでいただきたい。」


また悔しそうな顔するなぁー・・・。まぁそうだよね、付近に獲物がいるのにみすみす見逃せってんだもの、しょうがない。

でも、うう、嫌いにならないでください、又兵衛さんも好きなんですうううう、

もう頭を抱える。ていうか、ちょんまげに洋服似合わない、うう。

いやもう仕方ないんだけど左近の洋服の馴染み具合が逆に怖いわ。


「・・・すみません、本当に。」


やっぱり謝っとこう、とぽっと口から謝罪が出る。謝ったってどうしようもないんだけどさ・・・。


「気持ちはひどくわかります。だからといって、復讐したい相手がいるわけじゃないですけど・・・。」

「それ、本当はわからないって言ってるのと同じだよねぇ?ねぇ?」

「うっ。ち、違います。その、・・・認められたいって、いうのは、わかります、本当に。」

「、」


昔は親に遠くに行かれたくなくて様々なことに挑戦したものだ。気持ちは分かる。

違うのは、元から認められてたことかな・・・私が知らないだけで、二人は私を元より認めていた。そりゃあ親だもの、当然といえば当然。

でも、又兵衛さんのは赤の他人だ。ううん、わからないということになってしまうのだろうか・・・。

けれど再三考えるが気持ちとしてはわかってる?と言っていい?うん、いい気がする。


「認め、られないのって、その・・・辛いですよね。誰も、自分を見てくれないような、」

「・・・」

「だから、ええと・・・秀吉さんも、半兵衛さんも、ここにはいないので・・・私が又兵衛さん見ますから、えっと、はい、見ます、見ますから!」


なんだか恥ずかしい台詞を言っている気がするけれど今の私の体勢は土下座だ。どうにかしてこの狂気を沈めていただきたいのだ。

いや、うん、まぁそれだけではないし、ちゃんと誠意は篭っているけれども。

ちゃんと又兵衛さんのこと見る気満々ですけども。


「・・・又兵衛、様。」

「・・・は?」

「又兵衛様。」

「あ、はい、又兵衛、様・・・?」


急に言われた言葉に唖然として顔を上げるものの繰り返して言えばにんまりと笑顔に変わる。

う、なんですその笑み、心臓打ちぬかれた。


「じゃあ、光?」

「は、い、」


うわ、さらっと呼び捨てだよ、


「オレ様から視線、離さないで、ねぇ?」


・・・?あれ?なんだかやっぱり視線が狂気じみてるよ?あれ?

・・・あっれー!??????おっかしいなー!!????







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