Be quiet!!!!

□Be quiet!!!!
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「・・・」

「・・・」

「・・・い、いや、何か申してくだされ石田殿っ!!」


早朝。庭に出てみると石田殿に先を越されていた。

しかし何もしていない様子を見て、俺と同じ稽古で外にいるのとは違うのかと考えたとき、微動だにしないのに気付き。

視線の先に目を向けると。

猫が太陽に向かって拝んでいた。

そして無言。今に至る。


--


欠伸をしつつ下に降りると外では大将と石田の旦那が固まっている。

何か共通のものを見ているようにも見える。

何かあったのかと庭先におりてみる。


「おはよー大将に石田の旦那。どうし・・・・・・・・・わぁお」


二人の視線の先。一匹の猫。

二足で立って、前足を腕のように上に上げて。

・・・ええと。これはなんだ、え、これ普通なの?いやそんなわけない。

そんなわけないってか、そんなのあってほしくない。


「佐助っ、おはよう、それでこの、」

「猫ねー。どうしよっか。取り敢えず皆ってか黒田の旦那と大谷の旦那、それから光起こしてくるね。」


ていうか、石田の旦那は凝視しすぎ。


--


現在時刻5時。小さく欠伸。

したと同時に扉が開く。


「起きておったか。」

「おはようございます吉継さん」

「おはよう。」


ふわふわと座布団が動いて吉継さんが近付いてくる。

話によると佐助に起こされたらしい。猫が来てるから降りてきて、と。

猫か。さてお次は誰だろう。


--


黒田の旦那と大谷の旦那を起こすと大谷の旦那が光を起こしてきてくれるとのことで黒田の旦那を連れて下へ。


「佐助ぇっ!!」

「何、どしたの。」

「増えたでござるっ!!」


きょとり。ええと、増えたって、何が。

黒田の旦那と顔を見合わせる。大将が何かを持ち上げてこちらにつき出した。


「犬でござるっ!!!」


真っ白なもふもふが元気にわんと吠えた。


--


吉継さんと降りてくると犬と戯れる人達と猫と戯れる人達。

・・・あれ?猫だけだと思ったんだけど。


「あ、光おはよっ」

「おはようございまする!」

「おはよう。」

「おはよう光。」

「われには無しか。」

「皆さんおはようございます。」


挨拶を交わして三成が凝視する猫にまずは近付く。

すると佐助が立ち上がって今からご飯作るね、とエプロンを装備して台所に消えた。

猫はシャム猫。容姿じゃ誰だかまったくわからん。

犬はもさもさしてるし白いしなんとなくアニキっぽい。

うーん、誰だろう。


「三成が見付けたの?」

「ああ。太陽を拝んでいた。」

「うわわかったわ元就さん(仮)だわ。」


ヒントが正解過ぎてなんもいえねー・・・。

尻尾がゆらゆらと揺れて元就さん(仮)がこちらをちらりと見た。

それに少し、苦笑い。

あ、そうだ。


「そっちのアニキ(仮)、海ちゃん家に置いてきてくれますか?」

「は?小生が?また?」

「お願いしますね!」

「その笑顔・・・何故じゃ・・・」


とぼとぼとアニキ(仮)を連れて歩いていく官兵衛さんを見送り。

海はアニキがお気に入りだからね。家康とか向こうにいるけどなんとかなるでしょ。

・・・期を見てなんとか出来たらいいなぁ。

しかし今日は学校だし。ううむ。


「まぁいいや。」


腹がへっては考えも巡らぬ。まずは。


「出来たよー。毛利の旦那は卵粥でいいんだよねー?」

「うんありがとう!」


腹ごしらえといきましょう。


--


「じゃあ帰ってくるまでに説明よろしくお願いしますね。」

「まかせよ」

「お昼のことも任せるね。」

「はいはいっ承知しましたっ。」

「洗濯物もいいね?」

「任せてくだされ!!」

「よし。なんか既視感あるけどまぁいいか。いってきます!」

「「「「「いってらっしゃい。」」」」」


--


めっ、目が覚めると我等がアニキが隣に、え、これは、まさか、まだ夢、


「おう起きたか。随分と気持ちよさげに寝てたじゃねぇか。」


ぎゃあああああ石野さんの、声が、アニキの、声が、え、そんな、馬鹿な、

とりあえずガン見していたら突然扉が開く。犯人は・・・政宗。


「honey?もう漆時・・・Ah・・・邪魔したか?」

「え、7時?」


やばい寝過ごしたぁっ!!


--


「飯は食っていかねぇのか?」

「ごめんこじゅ、そんな時間無い!あとのことちょっと任せる!!いってきます!!!」

「?あ、ああ、いってらっしゃい。」


上から降りてきた勢いのまま玄関から飛び出していった海に首を傾げる。

まさか、もっと早く起こさなきゃならなかったのか?・・・悪いことをしたな・・・。

次に上から降りてくる足音は、・・・二つ?

家康はここにいる。政宗様を起こしにいかせたから一つは政宗様だ。

ならば一体、この足音は。


--


「ただーいまー」

「お、おかえりー。」


佐助が笑顔で出迎えてくれた。それに私も笑顔で返す。

とりあえず荷物を上に置きに行って戻ってくるとぼふりと煙幕。


「ふむ・・・貴様が居らねば元には戻れぬということか。」

「え」

「おかえり光。説明は済ませたゆえな。」

「あ、はい。」


じ、と顔を見られてきょとりとしていると吉継さんに微笑まれる。

さっきの言葉、ちょっと気になるけどまぁいいや。


「あ、休戦の話もしました?」

「ぬかりなし。」

「よかった。」


さて。気になるはアニキと家康だけれど。

でも海の大好きなアニキのことだもんねぇ。海に任せればいいか。

・・・それまでに、ちょっと怒りの炎を小さくしておこうかな。







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