Be quiet!!!!

□みなぎるわんこと三毛ねこさん
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「ふっ・・・はっ、」


朝の空気は変わらない。ただ少し、車とか言うものの音が煩い。

枝を拾って多少の稽古。やはり軽い。軽すぎる。


「・・・もっと重いものは無いのか。腕が鈍る。」


帰ったときに刀が持てなければ意味もない。


「わんっ」

「にゃっ、」


不意に犬と猫が出てきた。梅の木の下から。

じろりと睨みつけると犬を庇うように猫が前へ。

・・・。

刑部を呼んでくるか・・・。


--


「なんで小生まで起こされにゃならんのだ・・・。」

「ほお、これは真田か?それと、あの忍であろ。」

「そうか。」

「で、どうするんだ。」

「どうするも何も家に入れてやればよかろ。光ならそうしやる。」


くあ、と一つあくびをした暗に二匹を持つように言うと少しいやな顔をした。

それに笑うと諦めたように二匹を運び始めた。

さて。


「三成、何ゆえ光を起こさなんだ。」

「起きなかった。」

「・・・あのゆすりでか?」

「ああ。」


それでは首がもげても気が付かなそうよ・・・。


--


「で、結局誰が起こしてくるんだ。」

「私はもう試した。無理だぞ。」

「三成が無理ならばわれも無理よ。」

「・・・小生が行くのか?」

「ほかに誰が行くのよ。」

「・・・こいつら・・・とか・・・無理か。」


無理だろうとは思ったが二匹の犬と猿じゃない猫を指差すと二人から溜息が聞こえたのでやめる。

致し方無く一人で光の部屋へ。


--


「・・・おーい、光。」

「・・・。」


熟睡。おい、これ起きないんじゃないのか。

いや、時計は漆(しち)を指してるぞ。起きても良いんじゃないか。


「光。光ー。」

「うー・・・。」


お?


「光?」

「・・・すー・・・。」


駄目だ起きないぞ心折れそうだ。

しかしここで諦める小生じゃないぞ。

ええと、どうするか。弱いとこ・・・。

くすぐるか?いや、それで起きるのか?

鼻でもくすぐるか・・・くしゃみするなそれじゃ。

耳?そうか、耳なら小生も弱いぞ。

・・・囁くくらいで起きるか?駄目だったら息でも吹きかけるか。

そっと耳に口を近づける。

・・・気持ちよさそうな寝顔しやがって。


「・・・光」

「っ、・・・!」


お、動いた。

これはいけそうだぞ。

そのままふぅっ、と息を吹きかける。

びくりと跳ねた。起きた。


「っ、!?!!!?っ、な、」

「おはよう光」

「おは、お、え、おはよう、ございます、官兵衛さ、ん。」


そろっと離れて挨拶をすると耳を押さえて真っ赤な顔で挨拶が返される。

あ、なんだか愉快だ。にやり、と笑ってしまう。


「・・・え、と、なんです?」

「はは、いや、なんでもないさ。起きてくれ。犬と猫が来てる。」

「わぁ・・・。」


ああ、わかったぞ愉快な理由。

この光の一面は、小生しか知らないからだ。


--


着替えて降りると案の定犬と猫。


「おはようございます。」

「おはよう。」

「よう寝ておったな。」


挨拶の後私がゆすっても起きなかったことを聞いてショックを受ける。

嘘だろ・・・!?それじゃあ私は首がもげても気が付かずにそのまま永眠するじゃないか!

まぁそんなことはさておき。


「説明はしたんですか?」

「一通りはした。」

「わ、ありがとう三成。」

「われがな。」

「あ、ありがとうございます吉継さん。」


とりあえず犬猫に視線を移す。

あー、うん。幸村だ。幸村と佐助だ。

茶色いわんこに三毛の猫。

これは珍しい。雄の三毛ってそうそういないんだぞ。


「あ、服のこととかもしてくれました?」

「しておらぬ。」

「じゃああとで三成にお願いしていい?」

「なんで私が」

「言うと思ったけどね。」


官兵衛さんにやらせるのは流石に何回もやってもらっているわけだし。

そう説明をしたら官兵衛にやらせればいいと説明を総無視されました。

はいはい、言うと思いましたよそれも。ええ。

確かに三成じゃなんとなく不安ではあるんだよね。


「じゃあ官兵衛さんにもやってもらう。」

「官兵衛一人で事足りる。」

「足りないからお願いをしている。」

「足りる」

「足りない」

「足りる」

「まぁ三成、そう言うな。」


とりあえず私は平等にだな。

そんな気持ちで睨み合いをしていると吉継さんが中間に入る。


「なんだ刑部。」

「光にも考えがあるのよ。」

「だからどうした。」

「郷に入っては郷に従えと言うであろ。」

「・・・。」


ぶすっとした三成にさらにお願い。


「官兵衛さんは三成のもして政宗さんたちのもして多分もう飽きてるから三成お願い。」

「・・・。」


両手を合わせる。拝むように目も瞑る。頼むよ三成。

ちらり、と目を見てみると、三成はびくりとした。あれ?

そのままそっと目を逸らされた。おいどうした。


「・・・わかった。」

「え。」

「やってやる。」

「やった!ありがとう三成!」


ちょっと顔が赤く見えるのは気のせいということにしておこう。

そんな会話が終わったあとにタイミングよくぼふりと煙幕。


「おおっすごい!元に戻ったよ大将。」

「武器は・・・ないのでござるな。」


きょとり、としている佐助と幸村。

とりあえず、挨拶をする。








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