Be quiet!!!!

□灰色にゃんこと茶色わんこ
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「じゃあお風呂入っちゃいますか。」

「順は如何する。」

「三成一番風呂する?」

「私はいつでもいい。」

「小生はこの間したからな。」


ええと。私もいつでもいいのだけれど。

吉継さんは比較的最後に入りたがる。

三成も官兵衛さんもいつでもいい・・・。


「・・・じゃあ私一番風呂貰おうかな。」

「おうよかろ。いってきやれ。」


わあい。ちょっと一番風呂してなかったからってなんかテンションが上がるぞ。私って単純。


「えへ、じゃあいただきますね!」


なんとなくスキップしながら居間を出た。


--


「・・・ずっと一番風呂だったんじゃなかったのか?」

「一人と他が居るのでは違うのであろ。」


くすくすと笑う刑部。それに話されたことを思い出す。

『この家で一人きりであったそうよ。』

寂しかったのであろうなァ。そう付け足して刑部らしからぬ表情をしていた。

確かに何処か惹かれる。何故か目で追う。

先ほどの笑顔で、ふわりと胸中の何かが軽くなった感覚もした。

変な女だ。

刑部が優しげな笑みを私以外に向けるのなんて、見たのは。

初めてかもしれない。


「・・・光、か。」


会ったら切ろうと思っていたが、刑部もなかなかいい待遇をされていたようだし。

その必要もなさそうだ。それに、切るための武器も無い。

そしておそらく光が居なければ私たちは帰れはしない。

・・・暫くは、協力、をせねばなるまい。


--


「お次どうぞー。」

「ちと待ちやれ。」

「官兵衛、入って来い。」

「まぁそうくるだろうと思ったよ・・・。」


BASARAをする二人と傍観する官兵衛さん。ゆえにまぁ仕方ない。

立ち上がった官兵衛さん。ああ、そういえば。


「三成の寝間着なんとかしなきゃ。」


思い立って父の部屋へ。さてさて。

寝間着・・・寝間着も何とかしないとなぁ。


「・・・はぁ。」


今週末買い物に行こう・・・。


--


「あれ、三成もう入ったんですか。そんなに時間かかってたかな。」

「何をしてたんだ?」

「三成の寝間着を。」


ほら、と掲げて見せるとなるほど、と頷く官兵衛さん。


「それより早う持って行ってやれ。」

「あ、そうですね。」


脱衣所に向かい、人影。

・・・あれ?


「三成?まさか脱げないんじゃ・・・。」

『っ!!・・・光か・・・。』


・・・動きが止まった。曇りガラスの小さな窓だからよくわからないけど多分まだ脱いでない。


「・・・大丈夫?手伝う?」

『・・・頼む。』


あちゃあー。ふぅ、と一つ溜息を吐いて脱衣所の扉を開ける。


「あ、ベルトは外せたんだね。偉い。」


ズボンでてこずってたの?マジで?

とりあえず寝間着を置いてしゃがむ。


「これ横にずらすんだよ。」

「む。」

「こう。」

「・・・!!」


きょとんとしてる。

大丈夫か。


「・・・礼を言っておく。あとは大丈夫だ。」

「ほんと?信じるからね。」

「ああ。」

「で、これ寝間着。上がったらこっち着てね。」

「わかった。」


本当に大丈夫か。なんか心配だぞ。

しかし三成は聡いからね。信じておこう。

うんうん、と一人で頷きながら脱衣所を出た。


--


「寝間着を探して汚れたであろ。共に湯浴みでもしやるか、光。」

「しません。」


居間に戻るとにやにやしながら聞かれる。しませんよ、そして照れませんよ、その手には乗りませんよ!!

そして二回も風呂に入るなんてしませんよ!!!


「暗とはしたのにか。やれ悲しい、カナシイ。」

「あれは着衣ですからね!」

「それは着衣ならいいと言ってるようなもんだぞ光・・・。」


いや、着衣ならいいわけじゃないですから。はい。

違うよ!!というか普通風呂に服着て入らないから!!


「あ、そうだ官兵衛さん髪の毛。」

「ああ、乾かすのか。」

「はい。」


しゃきーん、と変な効果音を口ずさみながらドライヤーを取り出す。

それとなーく話を逸らせた。よかった。


「ところで明日の昼は如何する。」

「あー、一人分増えますしね。」

「昼までに帰ってくるか?」

「あ、明日は午前中無いですね。」

「さようか。ならば特に気にすることもなかろ。」


明日の会議をしつつ髪を乾かしてあげる。

そうだそうだ、じゃあ明日は午前中が皆さんのお世話で。


「午前はゆるりとしましょうか。」


何故か鼻歌を歌ってた。







灰色にゃんこと茶色わんこ


(上がった。)
(あ、じゃあ吉継さん行きましょうか。)
(あいわかった。)
(毎日風呂入れてもらってなんで小生に嫉妬できるんだ。)








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