Be quiet!!!!

□灰色にゃんこと茶色わんこ
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「えっと、じゃあ最終確認しますね。」

「おう。」

「ふむ。」

「お昼は冷蔵庫にあるラップしてあるハンバーグを?」

「れんじでちんだな。」

「そう。電話は転送かけてあるので私の名前が表記されたら。」

「受話器をとればよいのであろ?」

「そうです。」

「長めのこーるだよな?」

「そう。ご飯はよそえますね?」

「そこまで心配せずとも。」

「ああ。大丈夫だ。」

「じゃあ、いってきますね!」

「「いってらっしゃい。」」


--


「生死を気にせずに見送るというのも不思議な心地よ。」

「そうだな・・・。向こうじゃ考えられん。」


光が出て行き扉を閉めると刑部と二人。

またなんか変な居心地だな。

そう考えながら居間へ。


「昨日は何か夢を見やったか。」

「小生は見てないぞ。」

「さようか。われもよ。そのかわり光が何かほのめかしておったな。」

「ああ、三成とすれ違う夢・・・とかどうとか。」


すっと向かい側から来るのが三成で、すれ違って振り返ると居なくて。

確かそんな夢を見たとか言っていたな。


「凶王も来るのか・・・。」

「つくづく運がついてまわらぬなァ暗よ。」

「うるさい。」


そうだ、せめて一人でここにこれたなら。

そんなことを考えながらげーむの電源に手を伸ばすと刑部がてれびをつけて既にこんとろーらーを持っていた。


--


「ええと、最終確認ね。」

「ok」

「ああ。」

「お昼は?」

「俺が作る。」

「電話は?」

「honeyの以外は出ねぇ。」

「訪問者は?」

「居留守。」

「よし。じゃあいってきます。」

「「いってらっしゃい。」」


--


「っんー。することもねぇな小十郎。」

「そうでございますね政宗様。」


ぐっ、と伸びを一つ。

さて、することがねぇんだなこれが。

おお、そうだ。


「昨日やってた俺たちのgame、続きからしねぇか?」

「は、しかし私には・・・。」

「下手でもやってりゃ慣れるだろ!」

「いやしかし・・・」

「しかしじゃねえ!やるといったらやる!」


とにかく言い合っていても仕方がないので居間に向かってまずはテレビをつける。

gameの電源もつける。

コントローラーも渡す。


「さぁ小十郎!Let's party!!!!」

「(何でこのお方はこんなに元気なのだ・・・。)」


--


「今日ははやかったなぁ。」


現在三時。はやい。

まぁ今日は比較的少なかったもんね。月曜は少ないんだよ。

つきましては我が家。


「お二人とも大丈夫かな。」


とりあえず玄関を開く。

と。


「わんっ」

「ぎゃあっ」

「お。」

「光か。よう帰ったな。」

「あ、ただい、ま・・・?」


・・・なんか吉継さんのお膝に猫が居るぞ?灰色だぞ?

そして飛びついてきたこの・・・ちゃいろい・・・わんこは・・・まさ、か。


「え、ええと、あ、あはは、これ、まさか、いえ、やす、さん(仮)、」

「ん?ああ、多分な。」

「官兵衛さん何してるんですかはやく持って持って持って!!!!」

「え?」

「は・や・く・持つ!!!」

「あ、ああ。」


ひょいっと抱えた官兵衛さんを部屋まで誘導。


「良いですか、この犬を持ってそっちの窓へ。多分空いてます。」

「え」

「早く!!!!!!」

「あ、ああ。」


とりあえず行ったのを確認。

官兵衛さん、さっきの私の形相で置いてこないといけないことはわかってますよね。官兵衛さん頭脳派ですもんね。

さて。と呟いて部屋に来たのをいいことに鞄を置いて下に下りる。


「・・・塩でも撒くか。」

「やれ光」

「はい?」

「そんなに徳川が嫌いか。」

「え?嫌い?うーん・・・嫌いというか苦手というか・・・。」


あのなんともいえない善者ですよオーラが気に食わないというか・・・。


「まぁ単なる好みの問題ですよ。」

「ほォ。ますますぬしが気に入ったわ。」

「え、なんか嬉しいです。」


そんな会話をしているとするりと三成(仮)が吉継さんの膝から降りる。

じ、と見られる。なんか怖い。


「おお三成。ぬしも気に入ったか。そうかそうか。」

「え、そうなんですかこの視線。」


なんか吉継さんにやにやしてるけどなんなんだろう。こわっ。

そんなことを考えているとぼふりと煙幕。


「・・・そうか・・・貴様も家康が憎いか・・・。」

「いや憎くはないですけども!!!」


凶王降臨です。


--


「じゃあこれの面倒頼むな。」

「ok.徳川だろ?任せておけよ。」

「じゃあ小生は向こうに戻る。」

「・・・いやな予感がする。戻らねぇほうがいいんじゃねぇか?」

「まぁどの道戻らにゃならないからな。今行くか後で行くかの違いさ。」


黒田はなかなか強靭な精神をしているのだな。

そんな思いで背中を見送る。

そのあとそちらへ目をやると渡された徳川と戯れ始める政宗様。

・・・げーむが・・・中断状態ですぞ・・・!!!!!


--


「あ、おかえりなさい官兵衛さん。さすが!」

「そんなぬしも帰ってこんでよかったのに」

「官兵衛・・・珍しく良く働くではないか。」

「いやな予感が当たって小生はもう再生不可能だ。あと光ただいまそしておかえり。」

「あ、ただいまです。」


はーっ、と溜息を吐いた官兵衛さんに苦笑いをしつつ。

引っ張り出してきた洋服を三成に手渡し。


「じゃあ官兵衛さん、説明よろしく。」

「おい待て、べるとがわからんぞ。」

「えー。仕方ないですねぇ。」


次こそ覚えてくださいよ?なんていいながらとりあえず居間を出る。

そこで着替えるのもあれな感じするけどまぁこのほうが手っ取り早いし。


「ベルトだけになったら合図ください。」

『ああ、わかった。』


とりあえずそうだな、三成といえばあの前髪だな。

なんとかせねば・・・そうだ、ピンがあった。とめよう。・・・嫌がるかな。


--


「いいですか?三成さんも官兵衛さんもちゃんと見ててくださいね。」

「おう。」

「わかった。」


毎朝ベルトだけのために呼ばれてもかなわん。

とりあえず覚えてもらわないと。


「はい、こうです。」

「ふむ・・・。」

「ん、小生はもう大丈夫だ。」


よし。じゃあ大丈夫ね。

とりあえず次だ、ピンだピン。


「三成さんはこちらのお話聞きましたか?」

「ああ。一通りは聞いた。」

「じゃあ目立つのは分かりますね?」

「?」

「己が目立つ自覚はあるかということよ。」

「・・・。」

「きょとんとしないでいただけますか・・・。」


あれ?ちょっと待ってよゲームの話はしたのだよね?

一通りって事は全部話したんだよね?

吉継さんにそれとなくアイコンタクトを送ると苦笑いをされる。


「やれ三成。話はしたであろ。」

「あれで何故私が目立つことになる。」

「われらはここにおいて異質なのよ。その上知名度も高い。ぬしならわかろ?」

「・・・。」


少しだけ悩むような仕草をする三成。

直後に顔を上げる。


「・・・それで、私はどうすればいいのだ。」


お、話が早い。流れからしてこの先を掴んでくれたらしい。


「・・・聡いですねぇ。」

「そうであろ?」

「おい、どうすればいいのだ。」

「ああ、はいはい。」


つい漏らすと吉継さんがにやりと笑う。

それに三成が焦れたように急かす。

あの、急かすの早くないですか。

そんなことを考えつつピンを取り出す。


「これを前髪に付けていただきます。」

「なんだそれは」

「髪留めですね。」


眉間に少し皺がよった。おい怖いぞ。

しかし怯んでも居られない。


「どちらに寄せます?右で良いですか。」

「・・・任せる。」

「はい。」


あ、なんか思ったより協力的だ。ありがたい。


--


「じゃあこんなんでいいですかね。」

「・・・右が見えにくい。」

「あ、すみません。」

「不便はなかろ。奇襲もここにはないゆえな。」

「官兵衛が襲い掛かってきたらどうする。」

「私が止めますから。」

「!?」


とりあえず右に寄せたらブーイングきた。

けど吉継さんの言葉でなんとかなった。っぽい。

官兵衛さんは私に下に見られていることにショックを受けている様子でした。ごめんなさい。つい。


「じゃあ、えっと。自己紹介、は。」

「いらん。刑部から聞いた。光と呼ぶから貴様も三成と呼べ。」

「え、さっきから呼んで」

「三成、と呼べ。」


・・・はい?ええと、それは。


「さんを付けるなと?」

「そうだ。三成、だ。」


・・・?なんで、いや、まぁいいか。


「じゃあ、三成、です」

「その敬語もやめろ。」


えええええええええええええええええなんで

それはなんで、ほんとになんで。

どういうことなの。なんで。なんで?


「えっと、なんで、」

「私が気に入らないからだ。」


訳が分からないよ・・・!!!?

えっと、え?私が気に入らない?ですと?え?

えっと、なにそれ、なんてキョドっていたら吉継さんがこそこそと耳に近付く。


「思ったより気に入られているのよ。」

「え、それ本当ですか?」


つられて小声。くぅ、耳痒い。


「ぬしもなかなかよ。・・・まさか三成がなァ。ヒヒッ」


ええと、そんなに気に入られたのか。

じゃあ普通に喋ったほうがいいのかな。

まぁいいや、拒否も面倒臭いし。


「えっとじゃあ、三成、ね。よろ、しく・・・?」


これでいいのか・・・!?


--


「ただい・・・なんじゃこりゃあ・・・。」

「お、おかえりhoney.」

「海か。おかえり。」

「わんっ!」


犬が増えてる・・・!!なんだこれは・・・!!!

ええと、憶測。多分家康。

ていうか家康。絶対家康。このオーラは家康!!!

くっ・・・かわ、可愛い!!!


「・・・honey?とりあえず靴脱いではいt」

「うわっ!」


政宗の話の途中でぼふりと音がして煙幕。そしてその中から声。

お、大川さんの声が、う、うわ、いっ家康の、声が、


「おお!!元に戻ったぞ!」

「よかったじゃねぇか。」

「わああああいえやs・・・・・・・・・あ・・・これから説明・・・。」

「しなくても大丈夫だぞ!海!!」


家康によろこんだのも束の間、説明地獄を思い出すとナチュラルに家康に呼ばれた。

え?大丈夫?そして何故私の名前を。


「独眼竜から話は聞いたぞ。自己紹介はいらないらしいな!」

「え、あ、うん。」

「ワシのことは家康と呼んでくれ。」

「うん。」


なんか嬉しい、感動してる。


「有難う政宗・・・!!惚れ直したかも!!」

「Ha・・・なんだ?やっぱりhoneyは俺の虜か?」

「いやそういう意味じゃないけど。」


でも嬉しい、ありがたい本当に。

うわあああ説明地獄から開放されるなんて至福!!


「ところで飯は出来てるぞ。」

「え、晩御飯まで?」

「ああ。」


こじゅまでなんて至れり尽くせり・・・!!ありがたすぎる!!!


「だからとにかく上がれよhoney.」

「うん!!」


とりあえず家康の服なんとかしないと!!!








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