Be quiet!!!!
□お世話はじめました。
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「で、いいですか?」
「ああ。」
「順番は如何する。」
「官兵衛さんお先にどうぞ。吉継さんは私補助しますから。」
「っ、」
「ん、わかった。で、上がったらまたこれを着るのか?」
「ああいえ、寝間着は寝間着で用意しますので。」
「ん。」
ついでタオルの説明等をして寝間着を渡していざ官兵衛さんは風呂へ。
とりあえずせっかくなのでリビングでは吉継さんにテレビの説明を。
「で、字は読めます?」
「かろうじてな。」
「ここ押すとですね、今やっている番組が見れます。で・・・。」
ああ、どうしよう。ボキャブラリーが少なすぎて申し訳ない。
一通り説明し終わった後に吉継さんの視線は私のPS3に。
「あ、気になりますか。」
「われらの出ているげえむとやらはこれで出来るのであろ?」
「やります?」
「よいのか?」
「折角ですから。」
とりあえず起動の仕方から教えてディスクの説明もして。
コントローラーと操作の仕方、名称も教えて。
「さて、やりましょう!」
「二人でするのか?」
「はい、私画面半分から上です。とりあえずやらないといけないことは私がしますので吉継さんは練習がてら好きなように動いてみてくださいね。」
「ふむ。」
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やり始めると止まらない魔物が一騎当千ゲームというものである。
「あっ決まらなかった。やっちまってください吉継さん!」
「ヒヒッ、致し方ない。」
「おい・・・いつまでやってるんだお前さんら・・・。」
怒られました。
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「うーん、どうしましょう。」
「やれ、困った、コマッタ。」
「あの、困ってるの私なんですけど。」
どうしても包帯を取りなたくないようで悪戦苦闘。
でも無理強いはしたくないんだよなぁ。
さあてどうしよう。ううむ、ううむ。
しかしなぁ。お風呂入ってもらわないと困るし、その必要性の説明もしたし、お風呂は危険という話もしたし、ほかに説得の内容ないんですけど。
「吉継さん、何でそんなに嫌がるんですか?」
「・・・ぬしには見せたくないのよ。何故かは解らぬがなァ。」
「ふむ・・・。」
ううむ、ううむ。見せたくない、かぁ。
でも目隠ししたままじゃ補助なんて出来ないし。ううーん。
どうしたらいいかな。どうしたら。
「ええと・・・私、知ってますよ?えっと、ハンセン病・・・じゃわからないか。えっと。」
「?」
「なんていったっけ、あ、そうそう、らい病?ですっけ。なの。」
「・・・。」
面食らったように目を見開く吉継さん。
直後、眉間にしわを寄せる。
「ならば知っているであろ。われがどのように醜いか。」
「え、いや、見たことないのでわからないです。」
「・・・。」
う、うわ、ジト目。
「興味本位で見てみたいとか言ってるんじゃないんですよ?」
「わかっておるわ。」
「醜かろうと気にはしません・・・とは、大仰には言えませんけど。」
「・・・。」
「私だって人間ですもの。けれど、これだけは言えます。」
「?」
「嫌いになったりはしません。敬遠もしません。言いましたよね?私吉継さんだいすきですから。なめないでください。」
私のキャラに対する愛よ、伝われ!!
「・・・致し方なし。われの負けよ。」
「!!!よし、つぐ、さん、じゃあ!!」
「好きにするがよかろ。」
「ありがとうございます!!」
ややややった伝わったぁ!!
「そのかわり。」
「はい?」
「共に湯浴みをしてくれぬか。」
「・・・・・・ふ、えっ!!!!!???」
少し微笑みながら言った吉継さんの言葉に一気に顔に熱が集まる。
えっ、えっ???今、なん、て、
・・・・・・・・・。
・・・吉継さん肩震えてる。
・・・・・・。
「っヒヒヒッ、いや、クッ、愉快、ユカイ。」
「全然愉快じゃないです!!!!!」
照れた私が馬鹿みたいじゃないですか!!!!!ちくしょう!!!!遊ばれてる!!!!!!!
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「疲れた。」
ふうううえええええええ結局風呂入るの補助してるときも遊ばれたしちくしょううううう。
休日なのになんでこんなに疲れないといけないんですかあああああああ。
ああ、お風呂はなんて落ち着けるんだ。
ていうか一番風呂じゃないの久々だなぁー。
いつもは一人だしなぁ。
「・・・ちょっと楽しいかも。」
えへへ。なんて笑ってまた考える。
にぎやかなのは楽しいけれど、それもいつまでかわからない。
油断は禁物、慣れは余計。
この少しのにぎやかに慣れてしまったら、一人にやっと慣れたのに。
「また寂しくて苦しくなっちゃう。」
だから、帰れる方法を探さなくちゃ。
二人を何とかしてもとの世界に帰してあげなくちゃ。
お世話はじめました。
(あっまたやってる。)
(ヒヒヒッ、やれ暗、光と代われ。)
(なんで小生が!お前さんが代われ!!)
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