Be quiet!!!!

□わんことにゃんこを拾いました。
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「あ、もしもし海ちゃん?私、佐倉光だけど。」

『今度は何?』

「ほんとに官兵衛さんと大谷さんだったんだけどどうしてくれる貴様。」

『え?意味わかんない意味わかんない。』

「どうしてくれるうううううううううう」

『え、わかった行くわ、待ってて。』

「はよ来い!!」


海を呼び出し。彼女の一言でとんでもないことになってしまった!!

いや、その前から決まってたのかもしれないけど。


「にしても何故光は暗を名で呼びわれを姓で呼ぶ。」

「え。」

「よもやわれが嫌いか・・・悲しい、カナシイ。」

「え、え、ちが、違います、」

「われを置いて暗と湯浴みもして・・・われは邪魔者か・・・。」

「だから、違います、私、大谷さんだいすきですよ!?」

「ほう。」


うわっさっきまでの悲しげな表情がすぐに戻った怖い、


「なれば名で呼ぶがよい。われは光が気に入った。」

「え。」

「やれ、吉継さんと呼んでみよ。」

「え、あ、えっと、吉継さん、」

「そうそう、ヒヒッ」


あ、なんだか満足げだ。

すると今度は逆に官兵衛さんが口を尖らせる。


「光・・・。あまりそいつに構うといいことがないぞ。」

「え、そんな、」

「暗よ、嫉妬か。」

「うるさい。」


・・・ていうか官兵衛さんも吉継さんも何をナチュラルに呼び捨てしてくれちゃってんですか・・・。

そんなことを考えていると今度は二階から海が降りてくる。

家がお隣で窓が隣接しているためそちらからやってきたようだ。


「うわっマジだ。」

「だからマジだって言ってます。」

「うわっ敬語だ。」

「二人に敬語してるから抜けないです。」


和風のちゃぶ台に四人囲むとずいぶんと狭い気がした。


「じゃあ自己紹介行こうか。」

「よいよい、知っておる。海とやらに佐倉光であろ。」

「え。」

「二人の会話聞いてればわかる。」

「あー。」

「え、え?」


あっそっか、電話で名前言ってたわ。


「でもでも名前しか知らないでしょ。あたし古池海ね。」

「ふむ。」

「小生らの名前は知ってるんだろう?」

「はい、これから多少説明いたしますね。」

「じゃああたしいらない?」

「いる、いるううううううやめて、いかないで、緊張で死ぬ、」

「・・・。」


じとりとにらまれました。ひどい、長年の幼馴染にそんな視線ぶっ刺すなんて。

だって仕方ないじゃないか、私これでもコミュ障ってやつなんだぞ。軽度だけど。


「やれ光、話が進まぬ。」

「あ、すみません。」


立ち上がった海にすがりつくとくいくいと吉継さんに袖を引かれて話を戻す。


「えっと、じゃあまずこの世界とお二人の世界についてお話しますね。」

「それを聞けばお前さんらが小生たちのことを知ってた理由がわかるんだな。」

「そうです。」


まずはゲームの説明。

BASARAの話。今が簡潔に言うと未来ですよーって話。

すると何故か怪訝な顔をするお二人。


「・・・それは、われらが作り物というわけか。」

「え?そうなんです?」

「いやいや、お前さんの話をまとめると、そうなるだろう。」

「ふうむ。」


なかなか頭のいい人は色々とお考えになるんですねぇ。


「えーっと、なんというか。なんだろうなぁ。」

「考えまとめなさい。」

「今まとめてるよ。」


うーん、と悩む仕草。

ええと、私が言いたいのは。

お二人は作り物なんかじゃなくて?独立した事象で?

えっと?


「人間誰しも作り物でしょう!!」

「「「は?」」」

「え?」


うわ、ぽかんとされた。


「簡単に言いますと我等はどの道自分の勝手で生まれてくるわけでないです。
私だって海だって、母さんと父さんの勝手で生まれてきました。
吉継さんも官兵衛さんもそうでしょ?
人の愛があって、初めて自分は出来上がる。
それは創作・・・物を作ることにも通じます。
自分の作ったキャラクターは、登場人物は、我が子のように愛しいものです。
それなれば、吉継さんと官兵衛さんが作り物、と申されば私も海も作り物。
愛を受けて生まれ、育った同じ作り物ですよ!!
・・・ちょっとお二人が有名人なだけで。」


えへへ、なんて笑って簡易的に言いたいことをまくし立てるとまた三人がぽかんと。


「・・・えっと、お二人がカプンコさんの一次創作なれば、私たちも父母の一次創作なんですよーって、わかります?」


直後三人が震えだす。あれれ。

きょとり、としてると最初に声を出したのは吉継さんだった。


「ッヒ、ヒヒヒッ、そうきおったか、」

「まったく、お前さん、っく、思考がおかしいとは言われんか!?」

「も、だめっ・・・!!いい加減にしてよ光、はははっ!!」


う、うわぁ笑われた・・・。なんか恥ずかしいぞ・・・!!

でもなんとか伝わったみたいだ。よかったよかった。

さてさて。


「じゃあ次は私たちのお話しますね。」


とりあえず三人を落ち着かせてまた話に戻る。

家が隣同士で幼馴染のこと。

海の部屋の窓と私の部屋の窓は移動できるほど近いこと。

お互いの両親は海外出張でなかなか帰ってこないこと。


「・・・こんなもんです?」

「うん。十分かな。」

「ふむ。」

「なら、お前さんらは一人で住んでるってことか。」

「そうです。」


偉いな、なんて頭を撫でられる。うわ、久々すぎて恥ずかしいぞこれ・・・!!

というかそんな若くないです私。


「ともかくお二人は帰れる手がかり等覚えていませんか?」

「ふうむ・・・。」

「小生は寝てた。気がついたら犬になってて縄がついてて・・・。」

「暗は犬でも不幸よな、ヒヒッ」

「寝てた、かぁ。吉継さんは?」

「われも寝ておったはずよ。起きれば猫になっておった。」

「・・・ふむ。」


寝ることが、手がかり?かな?

うーん、とりあえず。


「行く場所ないでしょうし、うちの居候しませんか。」







わんことにゃんこを拾いました。


(行き場もないゆえな。)
(助かる。)
(なんかあったら頼ってね我が幼馴染。)
(えへへ、よろしくおねがいします。)









刑部殿と穴熊殿が気に入りすぎてしょっぱながこの二人というカオス

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