MobileVitamin!!

□その15
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「へえ、大きくなったんだ。」

「うん・・・電気代がひどい・・・朋、なんで平気なの・・・。」

「親の骨しゃぶってるからじゃないの」

「何その例え・・・怖い・・・。」


同僚は相変らずクールです。

休憩時間に話すのが日課の同僚は何でもそれとなくこなす素晴らしい子で私にとってすごく眩しい子なわけですけど可愛い子です。

そして鈍感です。どう見ても彼女のミニマムアンドロイド型人工知能付き携帯くんは彼女のことが好きです。私から見ても解ります。

そんな彼女ですが育ちが良いようでどうもお金には不自由してないらしく。羨ましい。


「にしても一は杏の名前覚えたんだね。」

「おー、まぁな!!おっきくなったら覚えられた。」


えへへーなんて笑ってるけど電気代大変なんだよ一くん・・・。


「まぁ大体家じゃ大きいのがnomalだろう。」

「えっ嘘。」

「俺も家ではbig modeだぞ。」


なんということだ・・・彼女も大きく出来るの知っていたのか・・・教えてくれてもいいのに・・・。

なんてしょんぼりしていると小さいままに机の上を走り回っている一くんが私の顔をそっと覗き込む。


「大丈夫か?」

「え、あ、うん。」


少し、顔が赤くなる。だって美形なんだもん。ていうか私の好みドストライクなんだもん。

そんな一くんが私のこと心配してぽてぽてと走ってきて顔覗き込んで上目遣いでああ、可愛い、

なんかもう、照れてしまう。

というか私は一くんを心配させすぎだしこのままじゃ駄目だ。


「大丈夫だよ。」


にっこりと笑うと一くんがきょとりとする。

直後、ばっと振り向いて「そっか。」と言った後翼くんのほうに走っていった。なんだそれは。

かくん、と首を傾げると朋と翼くんが一くんを一瞥した後私を見てにんまりと笑った。

打ち合わせしたかのようなその行動に私はまた首を傾げた。




MobileVitamin!!




笑顔にやられた草薙。




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