MobileVitamin!!
□その7
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「おはようございます。」
「・・・。」
目覚めてみるとどうしたことか。知らない人がいる。
きょとんとしつつも冷静な自分を褒めたい。
「えっと、朝の目覚しは翼に頼んだはずなんですけど。」
「はい。知っております。しかし、流石にこのままでは遅刻をしてしまうと思いましたので。」
「・・・えっと?」
「余計な事をするな永田!!っ!朋、起こされたのか・・・。」
寝室に入ってきた私の携帯は私の目の前に立つこの人と面識があるようだ。
それより、ん、そんな遅い時間でもないな。
「おはよう翼。この人・・・人?は知り合い?」
「永田は永田だ。」
「解るように説明してくれないかな。」
なんだよ永田は永田だって。
しかもその永田?さんも永田でございますじゃねーよ何だよその連携は。
「申し送れました。私、翼様の付属品でmobilevitaminシリーズ試験タイプのmodelvitamin-X000、永田智也でございます。」
「・・・付属品?」
「はい。」
今日の今日まで知らなかった、私の携帯に付属品、しかもこんな立派なものがついていたなんて。
うーん、状況は飲み込めたけど、とにもかくにも。
「会社に行こう。」
出勤だ出勤。話してる間にぎりぎり間に合う時間だ。ご飯を食べてる余裕も・・・あ、パン食おう。
「翼、私の荷物まとめてくれる?いつもみたいに。」
「わかった。」
「付属品さんは小さくなれる?」
「勿論でございます。」
「じゃあ翼、終わったら小さくなってね。付属品さんも。それから鞄の中入ってて。」
「わかった。」
「かしこまりました。」
適切に指示を出して寝室を出た二機を確認してから着替え。
いつもどおりにスーツに身を包んでキッチンへ。
翼に終わったぞ、と声をかけられて返事をする。
パンを焼いてぱくりと口に含む。
ひょいっとまとめられた荷物を持ち上げて中を確認。
いつもの道具と、翼と、付属品さん。
「よし。行こう。」
いってきます。誰もいない部屋に向かって呟いて、扉を閉めた。
MobileVitamin!!
永田さんに出てくるなって言ってた真壁。
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