MobileVitamin!!
□その4
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「で、どこに行くんだ？」
「ボーナス出たから靴買うの。いいやつ。長持ちするやつ。」
「bonus？どのくらいだ。このくらいか？」
「・・・そんなにいっぱいじゃない。」
そんなにいっぱいボーナスでないから。
そういいたくなるような金額をモニタを出して掲示した携帯。
君の金銭感覚はどうなってるんだ。
「このくらいだよ。」
出されたタッチパネルで打ち込むときょとりとする携帯。
「・・・時化たものだな。」
「えっそうでもないよ。」
私にとっては大切なボーナスだし、全然時化てない。
「半分は貯金したし。」
「What!?この半分で靴を買うのか！？」
「は？」
「そんないいもの買えないだろうこの半分では！！」
「買えるよ。」
「どこの格安saleだ！！」
・・・いやいやいや、そこまでじゃないだろ、どこの金持ちだお前は。
「仕方ない、俺の口座から少し引き出して・・・」
いやいやいや、お前の口座ってなんだ、お前携帯だろ。
誰の口座から引き出そうとしてるんだ怖いぞ携帯。
「いいよ翼、私のだから私で買うし、携帯の翼がそこまで心配しなくていいから。」
「っ・・・。」
わ、あからさまにしょぼんとした。ああもう、どうしたらいいんですか。
握られた手をぎゅっと握り返してみる。私の携帯はびくりとした。
「・・・手を繋いでくれてるだけでも、全然役立ってるから。」
「！」
そっと笑って言ってみると顔を逸らされた。
表情を少し窺ってみると、満更でもないようだ。照れたように、笑ってた。
それにほっとして、そのまま靴屋へ向かう足を速めた。
MobileVitamin!!
役立ちたい真壁。
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