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□日向ぼっこ
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ぽやぽやと心地好く日が降り注ぐ。眠い。
「ねぇ?聞いてんですかぁ?」
「聞いてます、聞いてます。」
縁側で日向ぼっこに興じているとどこから聞き付けたのか又兵衛様がいつの間にやら隣に座っていて。
何故だかは全くもって不思議だが先ほどからぐちぐちと…ええ、実際あまり聞いてないです。
「そうですよねぇ、又兵衛様頑張っていらっしゃるのに、何がいけないのでしょうか。」
「!ねぇ、そう思いますよねぇ?左腕に相応しいのはオレ様なのに、ねぇ?」
そこまでは言ってないのですが。いやまぁ、うん。相応しくないとも言えないけれど。だって実際お強いわけですし。
そういえばこういう根本が欠けた人って豊臣多い気がしないでもない。だからまぁ…なんて言うんでしょ、誰がなったって一緒だ左腕なんて。
いっそのこと皆左腕でいいのでは無かろうか。駄目かな。わー秀吉様左腕いっぱーいかっこいいーみたいな。無いか。気持ち悪いな左腕だけいっぱいあったら。
それでいて右腕は繊細で折れそう。うわぁ想像した。怖い怖い。
「まったくふざけてやがる…。」
「そうですねぇ…。何がいけないのか私には皆目見当もつきません。」
「ですよねぇ?」
ぽかぽかと気持ちよく差す日の光がちょうどよくなってきて船を漕ぐ。先ほどまでのどうでもいい考えは眠気によって吹っ飛んでいく。
うつらうつらと頭が揺れる。相槌も適当になってきた。ううむすみません又兵衛様。
「ねぇ?聞いてま…っ」
あ、なんだかそれ既視感感じますね。とか思いながら夢の世界へ。
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肩に頭がぽすりと乗った。そのせいで言いかけた言葉が途中で切れた。
この様子だと気付いてないな。それもそのはず、そんな仕草は微塵も見せていない。
それにしても随分な気の抜きようだ。だからといって誰にでもこうでは無い辺り、少しは期待、してもいいってこと、かねぇ?
「そうだといいんですけど、ねぇ?」
ああ、空が青い。
日向ぼっこ
(オレ様まで眠くなってきた)
聞いてください又兵衛さんが可愛いんです、
2014/02/07