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□別にどうこう言わないさ
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「お猿先輩どしたんすかソレ。」

「見て第一声がそれとはどうなんだ彼女として。」

「いや、うん、すみません。」


無星の私の家と言えば言わずもがな鍵なんざかかっちゃいない。容易に侵入出来ただろうなぁなんてごろごろしたまま近くに立っている三つ星の運動部統括委員長を見上げれば溜め息をつきながらその場に座り込んだ。

座布団もなくて申し訳ないものだ。しかし、珍しい。というか何故家を知っているんだか。教えた覚えといえば皆無なのだが。致し方もなく起き上がる。


「それで、ご希望の台詞は?」

「…ちょっと思ったこと言ってみろ。」

「前より格好悪いですね。」

「マジかよ。」

「似合ってはいますけど。」

「暗に俺が格好悪いって言いたいわけか?」

「まさか。」


衝動的に口にした台詞に少しショックを受けたようだ。あながち冗談じゃない。いや、格好悪いって言いたいわけではなくてだな。


「猿投山先輩がそれでいいなら、覚悟決めてやったってんなら、文句は言う必要無いですね。あんたの体だ。」

「…たまに思うが可愛いげがねぇよ、お前。」

「嫌なら別れてほしいね。あと男前って言ってくれませんか。」

「冗談だ。」


にやりと笑うと呼応するように笑う先輩は、するりと近付いてくる。


「見えてんですか?」

「心の眼でな。」

「天眼通の次は心眼通ですかい。」


そっと手が頬に触れた。ずいぶんと優しく撫でられる。それに目を細めた。

近付いた顔から首を舌が這う。ぴくりと反応すると嬉しげに笑むその顔は、たいして変わらない。


「…大丈夫、格好いいですよ。ん、」

「そりゃよかった。お前がそう言ってくれるなら、構わないさ。」


顎辺りまで舐めあげられて、そこから口に口付けられる。またそろりと舌が動いて侵入してくる。先程空気に触れたからか、少しだけ冷たい。


「んっ、ふぅ、ところで、本来の用件とは?」

「見えるときと見えないときの違いがな。」

「…また本能的で利己的で順応的な。」

「呆れたか。」

「猿たぁお似合いだよ渦さん。」

「はっ。」


笑顔が自嘲気味に見える。私も笑うとそっと押し倒された。













別にどうこう言わないさ

(気分としちゃどうなんだ。)

(悪かない。)

(良いんだね。)













猿投山先輩可愛いっす。すき。

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2013/12/25

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