other!!
□暗と!!
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
くうくうと寝息をたてる娘はなんでここに居るんだったかと思案する。
そもそもだ。なんで凶王が見付けた娘を小生が見てなきゃいけないんだ。謎だ。
はぁ、なんて溜め息を吐いて娘の顔を見やれば気持ちよさげな寝息。
全く、なんでこの城で、こんな場所で。そんな風に寝られるんだ。理解に苦しむな。
刑部が座敷牢だと呼ぶここは、下なんて地面だし、お世辞にも寝心地がいいなんて言えない。それなのに。
「…お前さん、やっぱり変なやつだなぁ。」
こいつから聞く話は、いつも楽しいことばかり。豊かな世界の豊かな話だ。
興味深くていつも聞き入る。ああ、そうか、そうだぞ。小生が引き留めてたんじゃないか。
悪いことをしたな、なんて今更思って頭を撫でる。
…どんな状況でも寝れたり、命の危機に瀕してもなかなか冷静でいたり。
なんかあるのだろうな。楽しそうに、話していても。
いつか話してくれるといいんだがな。小生が話を聞いて楽になるように、こいつも楽にしてやりたい。
話して楽になるのなら。の話だが。
そんな小生の思いも露知らず、寝続ける娘。
生憎だが、小生はこんなところでは寝れないわけで。
「…ちょっとだけ、お前さんが羨ましいよ。」
女のくせによく気にもせず地べたで寝れるもんだ。
…。
「鉄じゃなくてお前さんと繋がれたいなぁ。」
そしたらきっと、柔らかい抱き枕になるんだろうなぁ。
暗と!!
(…あー、何考えてんだか。)
(刑部、あれはどうした)
(小娘か。座敷牢で暗と一緒よ。)
きゃんべえさんのモーションがいちいち可愛いので育てることにしたんです←
2013/05/09