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□凶王と!!
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ぶしゅっと嫌な音がした。同時にひどい痛みが腹を襲った。思わず目を瞑った。
痛い、とぽつりと呟いた。そっと目を開けると鋭い眼光が私を射抜いた。
ぞわりと背筋が震えた。
「…何故口を割らない。」
割らないんじゃなくて、割れないんです。
恐らく切られた腹の辺りから血が流れる感覚がした。
じくじくと痛むそこを、刀の鞘でぐりぐりと抉るように弄られる。痛いです、痛い。
呼吸をするのもなんて苦しいことか。
ひゅ、と息を吸うと傷から鞘が離れる。
「誰を庇っている。」
いや、誰も庇ってないんですって。私だってこの状況、意味がわからなくて。
なんか知らない場所に迷い込んだと思ったら、BASARAの三成がいて、混乱してるんですって。
「…もう一度聞く。誰の差し金だ、何を調べに来た。」
うええええ、それ決定事項ですか、ちくしょう。
「ちがっ、い、ます」
「?」
ていうかうまく喋れないしいいいい、お腹、痛いし、大体、なんで、三成直々にこんな、拷問なんて、
うえ、涙出てきた、もうやだ、痛いし。
「わたし、だれも、庇ってなんっ…!!」
「ならば何故先程から黙っている!!」
「いいいいた、痛い、ちょ、痛いいいいっ!!」
ぐりぐりしないで、出血多量で死んじゃう、痛くて気絶しちゃう!!
なんで黙ってるかなんて信じてもらえそうに無いからでしょうがあああ!!
「正直に吐けば悪いようにはしないと言っているだろう。」
正直にすれば悪いようにされること間違いなしなんですって!!事情が事情なんだって!!
「…話してみろ。」
うわ、声が優しくなっ…てるけど痛い、なんでぐりぐりし続けるの、死ぬ、やだ、私こんなとこで死にたくないよ。
私布団の中で安らかに死ぬって決めてるんだから。
「…きっと、信じて、くれません…よ。」
「?どういうことだ」
「わた、し、」
…あの、いいから、ぐりぐりやめて、目の前、真っ白になって、きた、
「じつは、………」
「…?おい、どうした。おい!おい!!!?」
もうむりです
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