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□What a surprise to see you here!
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なんだか突然気分が変わった。
今日は会いたくないなぁなんて思ってバカサイユに向かっていた足を止める。
けれど、どうする?他に何をしようか。今はもう放課後だ。
帰るのもいいけれど、それもどこか味気ない。
いつもならバカサイユに行って、ちょっとゆっくりしてから帰る。
斑目と些細な話をして、少し眠って、いい頃合に帰る。
なのに、なんでだろう?今日は斑目に会いたくないような変な感覚が胸中で渦巻く。
とりあえず、と踵を返すと背後に斑目。
わっ、なんて声を出してしまった。吃驚した。
そんな私に斑目はきょとんとして、首を傾げる。
人が会いたくないと思っていたときにこいつは。なんて思いながら仕方なく見上げると斑目はそっと右手でわたしの左手を取る。
今度はこちらがきょとんとして、その繋がれた手を見ると、そのまま斑目は歩き出した。
「…。」
「…。」
何故か振り払うことも出来なくてそのままついていく。
方向は先ほどまで私が足を向けていた方向。
見えてきた建物に、諦める。
今更会いたくなかったなんて、言えないよなぁ。手も振り払っちゃいないし。
ふーっ、と小さく溜息を吐く。
ちらりと斑目がこちらを見た。
でもそれも一瞬で、到達した建物にドアを開けて入る。
とすりとソファーに座ると足と足の間にすとんと私を座らせた。
「…。」
「…。」
どうしたんだろう。即座に立って別のソファーに逃げようとすると後ろから抱きつかれて逃げられない。
会いたくないと思った理由はこれだろうか、私の勘もなかなか信用できるようだ。
「…嫌だった?」
「え」
ぽそっと呟かれた言葉にきょとりとする。あと、なんだかくすぐったい。
「なんか溜息、吐いてた。」
「あ、ああ、うん?」
あれは諦めの溜息だったから、嫌とかじゃないよ。
視線を少しだけ後ろの斑目に向けてこちらも小さく呟くと今度は斑目が溜息を吐いた。
「…ん?諦め?」
「今日は帰ろうかと思ってた。でも見つかった。だから諦め。」
そっか。と、声が耳のすごく近くで聞こえて、少し震える。
こめかみの辺りに擦り寄られる感覚がした。
唇が耳に触れそうだ。そんなことを考えているとちゅっと小さなリップ音が聞こえた。
同時に耳に暖かい感覚がして、ぴくりとする。
「見つけて、よかった。」
「…ん?」
口が近いからよく聞こえた。
見つけて?よかった?どういうことだろう。
「今日は、会いたかった。」
ふふふ、と控えめな笑い声が聞こえて、きょとりとする。
あれれ、私たち波長合わないのかしら。
まぁでもいいか。私が譲歩すれば彼は喜んでくれるということだ。
それに会った今では会う前のやるせなさなんて吹き飛んでいる。
だから、別にいっか。なんて思って、私を抱きしめている腕にそっと手を添えた。
What a surprise to see you here!
(こんなところでお会いできるとは!)
(いやいや、いつも会ってるよここで)
なんだこれは題名と内容がまったく噛み合っていない
瑞希「何を今更…ぐぅ…。」
あ、すいません寝ないでいただけますかね
瑞希「…ん…」
重いんだよ瑞希、身長高いし。
瑞希「お礼…」
うんそうだよ頼むよ
瑞希「読んでくれて…ありがとう…。」
ありがとうございました!!
2013/01/20