短いの2

□だから、貴方は。
1ページ/1ページ





気が付けば触れる手とか、手とか。

あとは頬とか、口とかそれから。

愛しい一挙に一動に、ふわりふわりと風が舞い。

今日も貴方は私に触れる。それでも私は触れられない。

ずるいずるいと毎日言うのに、貴方はゆるりと笑むだけで。

そろりと取り出す笛の音に、私は何故か満足をして。

また、やりすごされて、いる気がする。


「半蔵さん。」

「呼んだか」

「はい」


そろりと手を伸ばしてみると、ひらりとそれをよけられる。

ああ、まただ。


「ずるい。」

「そうか。」

「半蔵さん…」


くすくすと笑うその人に、またむっとして。

きっとどう足掻いたって、触れられない。

むっとしたままに目線を逸らすとそっと頬に口が当たった。








だから、貴方は。

(ずるいです。)
(そうか。)
(…)








久々に半蔵さんだけどなんて雰囲気もの、

半蔵「…。」

え、なんですその視線。

半蔵「話し方を忘れたか。」

いやいやそんな、曖昧ですけど確かに、いやちがっ、忘れては無いですよ!!!

半蔵「…まぁ、とにかく礼を言おう。」

ありがとうございました!!



2013/05/09

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ