MobileVitamin!!

□その10
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「よし二機とも脱げ。」

「What!?突然どうした!!?」

「だ、大胆でございますね・・・。」

「?何を勘違いしてるの。」


そろそろ機体が汚れてきたのでお掃除タイムだと言っているのだ私は。

小さくなれ。そして脱げ。そしてこのお湯をはった水面器の中に入るのだ。洗ってあげるから。


「・・・いいのか?ついてるぞ?」

「何が。」

「何って、・・・。」

「ナニでございます。」


あー、へー、そうなんだ、と、いうか。


「なんで?」

「知るか!!製作者に問え意図なんてものは!!!」


照れたように赤くなる私の携帯は断固として脱ごうとしない。


「じゃあ自分で洗う?」

「風呂でか?」

「ここで。」

「せめて風呂にしろ!!!」


だって自分のなんだから自分で洗いたいんだもん。

風呂ってことは大きくなるんだよね?それはかなり面倒じゃないか。

拗ねたようにそう言うと、付属品のほうが口を開いた。


「仕方ありませんね、私はいいですけど、本当によろしいのですか?」

「いいよ。小さいタオルも雰囲気出そうと思って用意してるし。」


さっとそれを取り出すと驚く二機。

なんだよそれは。


「・・・俺は、嫌だ。」

「えー。」

「私はここで我慢いたしますから翼様はどうかお風呂で洗ってあげてくださいませ。」

「うー。」


少し、悩む。面倒。

でもなぁ。永田がここまで譲ってくれるなら応えないとなぁ。


「わかったよ。」

「っ!?」

「何、何で驚くの翼。」

「な、な、何で!!」

「?」

「おっ、まえ、意味解っていて言ってるのか!?」

「はい?わかってるよ?」


きょとんとすると項垂れる私の携帯。

わかってない、絶対に。そう呟きながらはーっと溜息を吐いた。




MobileVitamin!!




大胆な君にキョドり真壁。




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