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□兄さんは発情期!?【2】
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R15



※学生アルエド
※もしもアルが子供のように純真無垢だったら

=やりたい盛りな兄さんが知識ゼロなアルに挑むお話




















ついこの間まで桜が満開だったというのに、気付けば青々とした葉がさらさらと揺れている。


(外暑そう…)


冷房の良く効いたこの自室の窓から外の様子を見てそう思った。

そうして、目前にどっさりと机に積まれた宿題の山に視線を移し、もう何度目か分からないため息をつく。
兄さんと同じ高校に入学したかと思えば慌ただしく一学期は終了してしまい、夏休みも中盤を迎えている。



とにかくこの忌々しい山を早く片付けてしまいたいと思ってペンを動かしていると、ドアが開く音と共に声が聞こえた。



「あーるっ!」

「にいさ…わあっ!」



ぎゅううっと音がしそうなほど後ろから抱きしめられ、思わず声をあげてしまった。兄さんは僕の首に両腕をまきつけにこにこしている。ちょっと締め付けがきつくて僕が苦しそうにしていることなどはお構いなしのようだ。



このスタイルは僕たち兄弟にとって日常的なことなのだけれど、それが非日常的だと知ったのはつい最近のことだ。









それは登校中に兄さんが後ろから僕の首に両腕を絡めてじゃれてきたときのこと。

前方にいた女子生徒たちがそれに気付き、もえー?とかきんしんそうかん?とか何とか言いながら(というか叫びながら)真っ赤にした顔を両手で隠しながらも指の隙間からこちらを凝視していた。
くすぐったいので首筋にすりすりと頭を寄せる兄さんをべりっと剥がすとそのほとぼりは冷めたが、教室に入ってからそれを見ていた友人に高校生にもなってあれは普通じゃないと告げられたのだ。

兄弟とはそういうものだと思っていた僕は、常識を覆されたようで少し納得がいかなかったが他の友人たちにも指摘されてようやく納得した。

そう言われてみればこんなに始終くっついている兄弟は見たことがないかもしれない。










「アル…まだ宿題なんかやってんの?」

「もう、べつにいいでしょ!僕は兄さんと違っていっぺんにやったりしないの!毎日コツコツする派なの!」



兄さんは何だよそれ、と言ってくすくす笑っている。その吐息が耳に触れてくすぐったい。



「ていうか、なにしにきたの。さっきまで誰かと電話してたのに」

「あぁ、それなんだけど…」
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