リボーン

□03希望の光なんてありゃしない
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あれは、何ヶ月前のことだろうか
毎日いろいろありすぎて
前の記憶が薄れていく



―数ヶ月前


『やばいやばい!!ちょっと早くおじさん!』

「ムリ言わないでくれよ」

『今日中に飛行機乗らなきゃやばいんだって!!』



ケータイ画面を見れば


゛大事な話だから絶対に来いよ″



すっかり忘れていた。
のん気にイタリア旅行なんてしている場合ではなかった
今日、彼と会う約束をしていたのだ
彼とは、えぇ。まあ彼氏ですよ
奇跡的にやっと私にも春がきているんです





『てことで、マジで早くっ』

「でも、これじゃーどーしようもねーな」



私の乗るタクシーの前には黒塗りの高級車が止まっていて通り道を塞いでいた



『はぁぁ!?なにこの車!!』

「ん?・・・この車は確か、」

なんだかしかめっ面になった運転手


『なんなのよ!ちょっと文句言ってくる』

「お嬢ちゃん、止めとけ あれはダメだ!」

忠告を聞き入れず、ガツガツとその車へと近づいた


中を覗けば人は乗ってなく、結局どうもすることが出来なかった

唯一できることは、

゛ガツンッッ!!!゛

思いっっっきり車を蹴り飛ばすことぐらいだった。
いつもはこんなことやらないからね?
ただ誰も乗ってなかったし、周り誰も人いな・・・・


「おい、コラァァァア!!!!」


いた。
やっべえ、いたじゃねーか!
でも時既に遅し。

向かいのカフェから銀髪の男が突っ走って来る

怒ってる
あれは怒ってるよね?
当たり前か、自分の車蹴られて怒らない人はいないだろ


「この糞ガキ!誰の車に蹴り入れたのかわかってんのか!!あ゛あ?」


知ったこっちゃない。
悪いのは確実にアナタだろう。
・・・だなんて言えるはずもない。


「すすすすみませんでした!!!!」

もの凄い速さで頭を下げた


「ふざけんな!!」

ふ、ふざけてねーし!!
これをどっからどーみて、ふざけてると読み取った!!?
アナタの頭の方がふざけているじゃないのか?


『ご、ごめんなさい!!悪気はこれっぽっちもなかったんです 出来心なんです。私時間ないんで、ほんとごめんなさい』


本当に飛行機出発まで時間ないし、この人はなんか危なそうだから足早にこの場から去ろうとした時だった



「どこ行くの?」

『え?』

ニコリ、と笑う栗色の髪をした若い男
一見爽やかに見えるけど、彼の周りに漂うオーラが真っ黒すぎてなんともいえなかった。






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