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□やかせたいもの
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「真ちゃんにやきもち妬かせたい!!!」



「…はい…?」



学校から少し離れた所にあるマジバ。何時も通り窓際の席に座り適度に談笑していた黒い鳥がいきなり騒ぎたて机に突っ伏する。
あまりにいきなりの事に頭が着いて行かず気の抜けた返事をしたら向かい側の席で期間限定のキムチバーガーを片手に机に突っ伏した高尾が気だるそうに顔を上げ言葉を紡ぐ。



「だってさ、涼ちゃんも思うだろ?好きな人にやきもち妬いてもらいたいって!」



試合中に見る鋭い鷹の目は何処へ行ったのかキラキラとした眼で真っ直ぐ自分を見抜かれたのに若干戸惑いつつも"まあ、思わなくはないっスけど…"と呟けば"でしょでしょww"とからからと笑う。
確かに先輩が俺に妬くとか…等と考え思考が止まる。
ファンの子たちに囲まれていてもシバかれるだけで特にやきもちなんか妬かない彼がもし…そう考えただけで顔が熱くなる。



「涼ちゃんなんで赤くなってんのwwwwwwwwwww」



「なってないっス!てか高尾っちうるさいっス!!」



むきになり軽く怒鳴りつけるが彼は笑うばかり。
もしここに彼の先輩が居ようものなら除草剤をまかれパイナップルが飛んできていることだろう。
てか俺ってこんなに顔に出るタイプだっけ?なんて思考を巡らせていればからからとした笑いが急に止まる。
何事かと思い彼へと視線を向ければどことなくにやにやしつつでもかなり真剣な目つきで俺を見据えて口を開く。



「つきましては涼ちゃん。ダブルデート、なんていかがでしょうかwww?」





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