*黒バス

□桜舞う季節に・・・
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シンと静まる部屋に響くのはパラパラと雑誌を捲る2つの音のみ。





今日の練習は午前中だけで明日は久々のオフ。こうなったのは体育館の工事がいきなり決まったせいで・・・。
あまりに急な事だったので新しい練習場所を決めるのにも色々やらなければいけないことがあるらしく急遽今日の午後と明日は丸々オフになったんだ。



そうなれば各自ロードワークに勤しんだりストバスに行ったりとするのだが、俺らは既にロードワークも終え、さらに言うならばついさっきストバスのコートを出たばかりだ。



俺らというのは俺と、まるでここが自分の部屋だと言わんばかりに寛ぎつつ月バスを眺める伊月のことだ。
なんでも伊月の母親は同窓会で帰りが遅いらしくそれを見計らったように姉妹たちは友達の家に泊まりに行ってしまったらしい。



それに加え明日はオフ。
幼馴染の家に転がり込むのに必要条件はとっくに満たしているということで・・・。
まぁ俺もたまのオフくらい幼馴染と過ごすのもいいかななんて考えてるわけなんだが。




ストバスから帰ってきて2人とも軽くシャワーを浴び、久しぶりの幼馴染の訪問に喜んだ母親によりいつもより少し豪華な晩飯を食べ俺の部屋でくつろいで早数十分お互い言葉を交わすこともなく唯ひたすらもくもくと雑誌を読み耽っていたがふいに伊月が読んでいた雑誌から顔をあげた。




「ねぇ日向、少し散歩にでも行かない?」




「は?良いけど、なんで?」



俺の問いかけに伊月は微笑みはすれども返事は返さなかった。
いったい何の意味があるのか、はたまた単なる伊月の気まぐれなのか・・・結果はどうであれ特に何をする予定があったわけでもなかったので伊月の気まぐれに乗ってみることにした。






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