*黒バス

□桜舞う季節に・・・
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幼いころ母親に連れられて来たのは桜が沢山ある公園だった。
丁度お花見のシーズンが少し前に過ぎ、次から次へと舞い散る花びらがくるくる回っていたのが印象的だった。



そしてそこで見つけたんだ。くるくると回る桜の花びらの中でまるで踊っているようにボールを追いかける黒髪の少年を。
その光景があまりに現実離れしているように見えて、とても美しくて一瞬息をするのも忘れたほどだ。



すると少年も此方の視線に気づいたらしく近寄って来た。
近くで見ても幻想的な彼に呆気にとられていたら少年が口を開いた。



「ねぇ、もしよければ一緒にバスケしない?」



少年とするバスケは、バスケというにはどうなのかというものだったがとても、とても楽しかったのは覚えてる。
その出会いを切っ掛けにお互い住む家も近かった俺らはどんどん仲が良くなって行ったんだ。




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幼い頃の記憶を引っ張り出しあの時はあーだったこうだったなんて言いながら川沿いに歩いていく。
俺の隣で微笑みながら昔の事を思い話す幼馴染を眺める。
その周りにははらはらと舞い散る沢山の桜の花びらが舞っていてまるであの頃の様だと思い、幻想的に微笑む姿は変わらないなと思った。




「ハッ!華麗な桜に錯乱するカレイ!ktkr!」



「きてねーし、ありえねーよダアホ!」



そう、これさえなければ・・・。







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