燈馬君と可奈ちゃんの日常

□ジンクス
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相変わらず忘れたころに突然やってくる優ちゃん。
そんな優ちゃんと朝ごはんを食べながら朝のニュース番組を見ている。

「さて、今日は今恋人たちに話題の新しいデートスポットを紹介します。ここセナド広場は南欧風の美しい広場です。新たにオープンした地中海レストラン『オチェーアノ』でカップルディナーコースを食べた後、ライトアップされた噴水で告白すると恋が実ると評判です。素敵ですね〜」

「...ふーん。いいなあ」
「なに優ちゃん。好きな人とでも行きたいの?」
「そんな人いないよ、そうじゃなくてさ...」
「へっ? ま、まさか私?」
「他に誰がいるの? 可奈」
「で、でも私だって好きな人なんて」
「...やっぱり想じゃだめ?」
「な、な、な、な、なんで燈馬君?」
「だって仲良しじゃん」
「そ、そんなことは」
「ああ、でも想は確か好きな人いたなあ」
「へっ、ええええ? 聞いてない! そんな話初めて聞いたよ!」
「あれ、話してなかったっけ?」
「うんっ!」
「金髪の綺麗な子でね」
「そ、そうなんだ」
「あ、でもそういえば近々日本に来るっていってたなあ、その子」
「.....」


「もしもし燈馬君!」
「あ、水原さん、すみません。優がいつもお世話になってしまって」
「地中海料理食べにいくよっ! もちろん燈馬君のおごりで!」
「な? 藪から棒になんですか?」
「いいから、もう予約したし!」
「ええ? ま、またなんで急に。優も一緒ですか?」
「ゆ、優ちゃんは用事があって来ない!」
「そ、そうなんですか」
「じゃ、じゃあセナド広場の噴水前で待ち合わせ! セミフォーマルだからジャケット着て来るんだよ!」
「は、はい」


夕方、セナド広場の噴水前

「燈馬君、お待たせ」
「いえ、そんなには待っていないです...え、み、水原さん、どうしたんですか、その髪? パーマかけたんですか? それに薄化粧してますか? そ、それにそのドレス...」
「へへ、似合う?」
「え、ええ凄く綺麗です。で、でも胸元がちょっと」
「あれー、どこ見てるのかなあ、燈馬君?」
「い、いえ」
「金髪の女に負けてたまるかっ!ボソ」
「え? 何か言いましたか?」
「なんでもないっ! 行くよ!」
私は燈馬君の腕にしがみついた。もちろん胸を当てて。
「み、水原さん」
燈馬君は顔を真っ赤にしている。可愛いなあ。こうなったら私の大人の魅力で金髪の女のことなんか忘れさせてやるっ!


レストラン-オチェーアノ

「いらっしゃいませ」
「2名で予約した燈馬です」
「こちらへどうぞ」

「水原さん、僕の名前で予約したんですね」
「い、いいじゃん。燈馬君のおごりだし」
「? そ、そうですか」
「うん、行こっ」
ふにっ
「み、水原さん、む、胸が」
「ん〜? 何か言った? と、う、ま、くん?」
「い、いえ」


「ノンアルコールのスパークリングワインでございます」
「うわー綺麗!」
「ええ、金色で綺麗です」
「さっ、乾杯しよ、乾杯」
「ええ」
「「かんぱーい」」


レストラン-オチェーアノ前

「あー美味しかった!」
「ええ、パエリアが良かったですね」
「うんっ。魚介類たっぷりですごい豪華だった!」
「ええ、水原さん、誘っていただいてありがとうございます」


セナド広場の噴水前

「うわー、噴水見てよ! ライトアップされて綺麗!」
「ええ、キラキラ輝いていますね」
「燈馬君、ありがと。凄く楽しかった」
「ええ、こちらこそ。でもどうしたんですか、突然?」
「え、えっと」
「?」
「ね、ねえ燈馬君」
「はい」
「燈馬君、好きな人いる? 優ちゃんが言っていたんだけれど」
「え? 優が?」
「ど、どうなの? 燈馬君?」
「...はい」
「そ、そっか。あ、あのさ、燈馬君」
「はい」
「ゆ、勇気を出して言うね。わ、私燈馬君のことが好き!」
「えっ?」
「で、でも燈馬君にはアメリカに好きな人がいるんだよね?」
「え、え? な、何の話ですか?」
「ごまかさなくてもいい。優ちゃんから聞いているから」
「? あ、あの全部説明してください」
「う、うん」


「...というわけなんだけれど」
「...水原さん、うまくダマされましたね」
「へっ?」
「その話は真っ赤なウソです」
「ええ、な、なんでそんなウソを...」
「理由なんて分かり切っていると思いますが ボソ」
「えっ?」
「何でもありません」
「そ、それで燈馬君の答えは」
「...それは」
次の瞬間、私は燈馬君に抱きしめられていた。

「と、燈馬君」
「嬉しいです。水原さんがそこまで僕のことを思っていてくれて」
「うんっ、うんっ!  燈馬君」
「大好きです。水原さん」
「やっぱりジンクスってうまくいくんだ」
「ええ! でも僕はどこでも答えはイエスでしたよ」
「嬉しい...。でもこんな素敵なところで、燈馬君と両想いになれて凄く嬉しい」
「僕も嬉しいです。これからもずっとそばにいてくださいね」
「うんっ!」

乙女な可奈ちゃん(笑)

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