五十嵐家

□五十嵐家七男の一日
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「秀ちゃぁ〜ん」

抱きついてきた蓮兄の頭にチョップをくらわしてから零兄を見る

「テスト勉強」

「はいはい」

零兄はいちいち堅い
というか言葉が少ない だから家では皆が気づくようにしている

四人で四角いテーブルを囲む様に座る

俺の前に零兄 右に竜兄 そして左に蓮兄

零兄は割と成績が良い
蓮兄も平均よりも少し上

「うぅ 分かんないぃ」

「蓮ここは代入だ」

「あ そっかぁ ありがとぉ」

二人が和やかな雰囲気の中俺の頭を悩ませる竜兄の癖が出てきた

「グゥ―…んー……」

そう 竜兄は頭は良いが直ぐに寝てしまうのだった

寝るだけならまだ良いけどそれまでに勉強したことも忘れてしまうからめんどくさい


「竜兄起きて」

「スピー―…」

ああ
今年も留年かなー







緊急家族会議

「これより竜兄のテスト対策についての討論を始める」

『はい!!!』

架伊と柚季は寝てしまったからそれ以外の人が出席している

「今回のテストは補習テストでこれで赤点をとると留年もしくは一年からやり直しとなりますぅ」

蓮兄の暢気な報告に頷いてから考える

今回のようなテストで赤点をとらせるのはこの際良いだろう

でも…

一年生からやり直しっていうのだけは阻止しなければ!!






それから皆で話し合ってついにテスト当日の朝

竜兄が皆を集めた

「なぁにぃ?眠たいんだけどぉ」

「眠……」

皆が目を擦りながら竜兄に視線を送る


「どうしたの?竜兄」

柚兄に聞かれた竜兄がゆっくりと口を開いた





 
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