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□あいにくの雨
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普段なら雨が降っていると家にこもってしまうが、誕生日という事もあり外に傘を差しながら歩くたび跳ね返る泥が靴に付いたって気にしないであの、お気に入りの場所まで歩いて行く。

「せっかくの誕生日なのになぁ…」
「なんや、自分も誕生日かいな。」
行き成り声をかけられて振り返ると柔らかく微笑んだ白石君が居た
「うん。」
「折角の誕生日に雨は無いよな…無駄があり過ぎっちゅー話や。」
「そうだね、でも。偶には雨もいいかも知れない。」
「まぁな。で、これからどこ行くんや?」
「川沿いの毒草が生えてる所。」
「毒草!!俺も付いていってええか?」
「もちろん!!」

ここから他愛も無い話をしていても私にとったら1時間にも永遠にも感じた
「めっちゃ生えてるな!!」
「そう、私のお気に入りの場所なんだ…毒草趣味って気味悪いよね…」
「そんな事無いと思うで?俺も毒草好きだから。」
今まで、毒草趣味なんて言ったら気味が悪がられた経験しか無かったから素直に嬉しかった。
「なぁ、ここにまた来てええか!?」
「いいんじゃない?」
「おおきに!!…おぉ!!トリカブトも生えとるー。」
そんな風に子供みたいな一面を見てしまったら、恋に落ちるのは必然だと思う。
私の誕生日は雨だったけど、私しか知らない白石君を見れたことはきっと神様から私への誕生日プレゼント。

「あ、こんな所にクロッカスが…はい、これあげるわ。花言葉調べてみてみ?」
「あ、ありがとう。」
クロッカスの花言葉を知ったのはそれから30分後の事。
私の足は白石君の家へ向かっていた。

</じれったい、あなたを待っています。

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