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□寒い日は。
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私は、寒い日が大嫌いである。
だけど、そんな大嫌いな寒い日の楽しみがある。
それは、とても寒い朝頑張って起きて、まだ誰も居ない教室へ行きバックを置いて職員室に鍵を取りに行く。
そして机の上にバックを置き、防寒着を脱ぎ急いでヒーターのスイッチを付ける。
そしてそして。
ヒーターの前で丸くなっていると火が付いてだんだん暖かくなってくる。
しばらくすると少し急ぎ足のリズムのよい足音が聞こえてきた
ガラッ
入って来たのは、銀髪の後ろにチョロ毛が出ている仁王雅治であった。
「おはようさん、佐藤」
『おはよう仁王君。』
仁王君はいそいそと防寒着も脱がないでヒーターの前に居る私隣に座って来て
「しっかし、寒いのう。」
『そうだね、…あれ?丸井君は?』
「ブンちゃんは、遅いから置いてきた。冬の部活では、俺が一番出るのがはやいじゃき。」
『丸井君かわいそうー。…本当に寒がりだよね。』
「寒いのも嫌いじゃ、だからといって夏も好きじゃ無いのう。」
『じゃあ、何の季節が好きなの?』
「これといって無いのう…そういう佐藤はどうなんじゃ?」
『私?私は……』
冬かな?と、言おうとした時赤髪のクラスメイト丸井ブン太が「寒いー!!」そう言いながら仁王君の隣に座り、仁王君とお喋りしている。
私は、この何気ないやり取りのためにヒーターを付けて彼を待って、何気ないやり取りをするのが私の楽しみ。
(例え寒くても、君の隣は暖かくて。)
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