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□届かなく成るその日まで
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「花音おはよう、早くしないと学校遅れちゃうよ?もし、花音のせいで遅れたら呪っちゃうかも?(黒笑」
『すみません、早く支度するんで呪いだけは〜』
「そんなこと言ってないで早く支度!」
『きゃーーーーー!!』
なんて、軽く冗談に見えないほんとに恐ろしい冗談を言ってくる精市
私と彼はいわゆる幼馴染って奴だ
そして、私の好きな人だったりする。
まあ、家が隣だからいつも一緒に学校に登校したりしている
「あ、あの、幸村君ちょっといいかな?」
なんて、いつも見慣れた光景にも私は胸がチクリと痛む…
皆からすれば私の立場は羨ましい限りかもしれない
でも、私からすれば凄く複雑な心境で私は彼が好きでも彼からすればただの幼馴染で
私はこの唯一の精市との関係さえも壊してしまうのが怖くて「好き」この一言でさえも言えない
「幸村君なんであの子を、振ったんじゃ?まあまあ、可愛かったぜよ。」
なんて、仁王君達と談笑しながら帰ってきた
「あの子性格良い事でも有名だろい?」
「んー…俺実は好きな人がいるんだ。」
「え?幸村君好きな人いたんか?」
「誰なんだよい?」
「…内緒。」
ひざから崩れ落ちる思いだった。
でも、こんなことを聞いてしまっても私は臆病だから自分の気持ちも言い出せない
だから、幸村君の好きな人ごめんなさい
あと、残り少ないこの時間を私に下さい。
彼は、近くて遠くて手が届きそうで届かない
だから、いつか本気で届かなく成る前に君との思い出をいっぱい作っておくんだ。
届かなくなるその日まで…