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□この空へ願う幸せ
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【この空へ願う幸せ】
「澪奈、修一。今週末暇?」
「暇だけど?」
「俺も暇だ。で、何なんだ、花梨」
突然の事に首を傾げる澪奈と修一。
そんな二人を見ながら、花梨は安堵した様子で言った。
「三人で何処かに遊びに行きたいなって思って」
「いいね、行こう」
「久々に思いっきり遊ぶか」
この三人の様子を、クラスメート達は温かい目で見ていた。
三人の関係を知る者は、誰もが相変わらずだと微笑をもらしていた。
この三人の関係とは一体何なのか。
隠す必要もないので話しておこう。
花梨たち三人は、幼稚園からの幼馴染みだ。
その頃から本当に仲がよく、見る人が見れば、兄弟に思われても仕方ないほどだった。
何の因果か、出会った時から今この時までずっと同じクラスであった事もあり、本当にずっと一緒に居た。
「どこ行く?」
「ショッピングでも行こうか。あ、でもそれだと修一が・・・」
「俺は構わないけど?」
「修一がいいなら、そうしよう♪」
そして、週末がやって来た。
花梨はここ、公園で澪奈と修一を待っていた。
「まだかな・・・」
ショッピングに行ったら何をしようか、そんな事を考えながら待っていると、向こうから修一が来るのが見えた。
「修一ー!」
「よ、花梨。澪奈は?」
「まだ来てないよ」
「そっか。・・・その服、可愛いな」
「え・・・。ありがと♪珍しいね、修一が私の服を褒めるの」
花梨の言うように、修一は人の服を褒めた事が今までにほとんどない。
けれど、今の修一はまんざらでもなさそうにしている。
談笑していると、ようやく澪奈が来た。
「ごめーん。遅くなった」
「気にしなくていいよ、あまり待ってないし」
「俺もさっき来たばかりだし」
「そっか。じゃあ、行こうか」