ハヤテのごとく!

□気づけば君に恋してた 第1章第1話
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結局、ヒナはHRまでに来なかった。

いくら生徒会の仕事をしているのかもしれないと言っても、こんな事はない。

一体どうしたのだろうか。

その謎は、雪路の言葉によって明らかになった。




「あ、ヒナは今日風邪で休みだから」

「え、ヒナちゃん風邪なの?」

「珍しいな、ヒナが休むなんて」

「姉の私もびっくりよ。ヒナが休むなんて」



ヒナが風邪?

本当に珍しいな。

ヒナが休む事なんて滅多にないのに。

今日は雨でも降るか?

傘、持って来てないぞ。



「それにしても、お嬢様が来ていてヒナギクさんがお休みというのも、何か珍しいですね」

「そうだねー。雪でも降るかな?」

「槍が降るんじゃないのか?」

「少なくとも雪は降らないぞ。冬じゃないからな」

「いえ、降るかもしれませんよ、お嬢様」



こんな日にナギがいると言うのも珍しいな。

本当に槍でも降るんじゃないか?

いや、嵐が来るかも・・・。

そういえば・・・、どうしてヒナは風邪なんか引いたんだ?









放課後。

美希たちは生徒会室にいた。

いつもは生徒会室になど来ない美希たちがいるのは、ヒナギクが休んでいるからだ。

ただ、美希たちだけだと仕事がはかどらないのは目に見えていたため、あらかじめハヤテを連行してきていた。

ちなみにナギはSPを呼んで既に下校済みである。



「悪いな、ハヤ太君。手伝ってもらって」

「私達、ヒナちゃんみたいに出来ないから・・・」

「仕事の量も多いし」

「ヒナギクさんがいないと、生徒会も大変なんですね。何となく理由は分かりますが」



ハヤテが言っている『理由』。

それは、三人がろくに生徒会の仕事をせず、サボっている事に他ならない。

まあ、三人が仕事をしないのは、面倒なだけでなく、手に負えないからでもあるのだが。

ちなみに現在、この場には千桜や愛歌もいる。

それでも、ヒナギクがいないため、仕事の効率は下がっている。



「それにしても、会長がいないとどれほど大変かが身に染みて分かりますね」

「そうね。いつもはあの三人が仕事を会長に押し付けてサボっているし」

「そうですね。たまには手伝わないんですかね?」



『あの三人』、つまり美希・泉・理沙の方に視線を向ける。

ヒナギクがいないからか、珍しく真面目に仕事しているようだが、見た所、ほとんど進んでいない。

むしろ、生徒会役員でもないハヤテの方がはかどっているように見える。



「綾崎君って、本当にすごい人ですよね。生徒会でもないのに、生徒会の仕事をあんなにテキパキと・・・」

「あの三人の代わりに生徒会に入ってもらいたいくらいね。綾崎君なら、副会長とか出来るんじゃないかしら」
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