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□Awake memory 番外編
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入園式はすぐに終わった。
終わると同時に、クラスが発表された。
言われたクラスに入ると、そこに理帆ちゃんがいた。

「あ、ここだったんだー」
「うん。同じクラスでよかったぁ」

理帆ちゃんと話しているうちに、私は教室の隅に一人で座り込んでいる子を見つけた。
何だか気になって、理帆ちゃんと一緒にその子に話しかけた。

「一緒に話そう?」
「うん」

私と理帆ちゃんはその子の隣に座り込んだ。
そして、私はその子に名前を聞いた。

「名前は?」
「柚希だよ。そっちは?」

そう言われて、私と理帆ちゃんは自分の名前を教えた。
そうして私たちは友達になった。

 







数日後、私たちが幼稚園の庭で遊んでいると、一人の女の子が庭の隅で一人で寂しそうに遊んでいた。
それを見た私たちはその子に声をかけることにした。

「一人でどうしたの?」
「・・・遊ぶ人がいなくて・・・」
「一緒に遊ぶ?」
「いいの・・・?」

その子は遠慮がちに私たちに聞いてきた。
だから私は、こう答えた。

「もちろんだよ」

すると、その子は笑顔で私たちを見て、話しかけてきた。

「私、蒼依っていうの。あなたたちは?」
「優衣だよ、よろしくね」

私に続いて、理帆ちゃんや柚希ちゃんも自己紹介をした。
数分遊ぶと、既に昔から知っているようなくらい仲良くなっていた。







それからは、私たちはほとんど一緒にいた。
毎日家に帰ると、何処かで皆で遊んでいた。
小学生になっても、それは変わらなかった。

「幼稚園に入ってから知り合ったのに、それよりも前から知ってるような感じがするんだけど・・・」

その頃、私はずっとそう感じていた。
だから皆に言ってみた。
言って、何か分かったわけじゃない。
だけど。

「うーん・・・。私も、何か昔からよく知っているような感じはしてるんだよね・・・」
「何でだろう・・・」

理帆ちゃんや柚希ちゃん、蒼依ちゃんも同じ事を思っていたようだ。


 








それから十年後に起きる出来事と、それによって判明する事実を私たちはまだ、知らなかった。      











【END】
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