偏った書庫
□今日光る河を越えて
2ページ/16ページ
こう言う時は軽く冗談でからかって。
拗ねる君の可愛い顔でも見るとするか。
「ロマンティストな君のことだから、
七夕に織姫と彦星が会えるかどうか、心配してたのかな?」
「えっ?」
まさか─────当たり?
俺がちょっと驚いた顔をすると、先に驚いた顔をしていたアキラが慌てて弁明し始めた。
「あ、あの違います!子供じゃないんですから!
何ていうか、確かに七夕なんですけど、その…」
その様子を見ているとどうも、当たらずも、遠からず。らしい。
「その…僕、七夕に天の川ってあんまり見たことないなぁと思って…」
さらにちょっと恥ずかしそうに
「七夕はいつも天気が悪いでしょう?だから…」と続けた。
それって、俺が言った冗談と大差ない気がする。
「だから、俺がそう言ったじゃないか」
「違いますよっ!今年は晴れが多いからと思って…っ。もう…っ!」
うつむいて拗ねてしまった。
そんなことしたって、俺は困らないよ。
君の一挙手一投足を魅力的に感じてしまう俺はね。