偏った書庫
□二人、じゃなくても。
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「ふわぁ…っ」
「ずいぶん眠そうだな」
「誰のせいですかっ!」
明るい日の光の中でソファにうずくまっていたアキラは、猫みたいに体を伸ばす。
「だから寝ててもいいって言ったじゃないか…。」
「だって…朝ご飯作らなきゃって思って…。」
眠気覚ましのコーヒーとは名ばかりの特製カフェオレを持って近寄ると、ゆっくりと体を起こした。
「んぅ…美味しい。」カップを両手で持つクセは小さい頃から変わらない。
「今日帰ってくるんだろ?送るよ」
「帰ってくるのは夜ですから…。夕飯も先に食べちゃいなさいって。」