偏った書庫

□貴方にプレゼントをすると言うこと
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貴方にプレゼントをするということ
それは形あるものを滅多に欲しがらない貴方に
貴方が望むものを贈ると言うこと。


携帯のディスプレイに浮かぶ日付で気づく。
そろそろあの、ややこしい日がやってくると。
その煩わしさを思って、緒方は小さく舌打ちをした。

元来、緒方は贈り物をされる、と言うのがあまり好きではなかった。

欲しいものは自分で手に入れる、が彼の信条であるし、
第一、他人に本当に欲しいものなんか、分かるはずも無い。と思っている。

だからプレゼント、と言う行為を彼はあまり好まなかった。
自分の物を手にする力を愚弄されている気がするし、
何より物と同時にくっついてくる恩や気持ち、と言ったものが煩わしい。

来る2月14日は、彼の嫌うプレゼントの要素が全面に押し出される日だ。
望んでもいないものを押しつけられた挙げ句、
大概それには思惑がくっついてくる。
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