偏った書庫

□お節句
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絢爛豪華な飾り雛
仄かに灯る雪洞に
菱餅、白酒、雛霰
甘き芳香こき混ぜて
儚し懐かし遠ひ幻惑


広い和室に鎮座するは、由緒正しき雛のお方々。
扇情的とも取れるような、真っ赤な緋毛氈が敷き詰められた段々。

その上には華やかなお道具が累々と並んでいる。

左近の桜に右近の橘。
屏風に箪笥、鏡台、牛車。
種々の鼓や笛を持つお囃子。
よそよそしい顔をした三人官女。
妙に年差のある右大臣と左大臣。

しかし一番目を引くのは、やはり上に在す御内裏様と御雛様だろうか。
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