偏った書庫

□迎えにいこう
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気も塞いでしまうような天気が続いている。
もちろん家の中にいるのが苦になるタイプではないし、
本がゆっくり読めて、じっくり碁も打てていいのだけれど。

こう長く続いては…。それに

せっかく緒方さんと居るときくらいは、どこかに行きたいなぁ…。

何て思ってしまう僕はまだまだ子供なんだろうか。

「雨、止まないな」

最近凝っているらしい近代小説から窓の外に視線を移して、緒方さんが言った。

「そうですねぇ…。」

この間の一局を並べながら、僕も答える。

おもむろにテレビをつけた緒方さんは、
しきりにチャンネルを変えて何かを探しているみたいだ。

また棋譜の続きを並べていた僕は、
本の閉じられるパタン、と言う音で振り返った。
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