偏った書庫
□ オマケ。
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微かに鼻先をかすめるのは畳の香りだ。
真新しいわけではない畳の香りがするのは、いつもより姿勢が低いからか、
それとも擦れて傷付いてしまったのか。
ザラザラと服と擦れる音が聞こえる。
「あんまり暴れると、畳が擦り切れちゃうぞ?」
「バカ…ッ…!」
指で触れる度、唇で触れる度、赤く染まる体が愛しくて。
反応が目に見えて分かるのが可愛くて。
鎖骨の少し下のところ、はっきりと分かるように跡をつける。
「ぁ…ッ。」
ただキスをしただけでも声が漏れる。
アキラの弱いところはだいたい分かっている。
ここをこうなぞると、どう鳴くかとか。
どこを触れば背が反るかとか。
だが、未だに新しい発見もあるから面白い。
また新しい所を見つけたいから、すぐには触ってやらない。
「緒方さん…っ、もぅ、触って…っ!」
可哀想に、触ってもらえないアキラは、赤く膨れ上がって涙を流している。