偏った書庫

□貴方にプレゼントをすると言うこと
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「まぁ、今年は大丈夫だろ…」

自分でもらしくないと思うが、最近は女に深入りはしていない。
元々入れ込んだことなんて覚えがないが…。
今、自分の部屋の合鍵を持っているのはあの子だけだ。

あの子…、アキラはこの手のイベントは、
嫌いな方では無い。

だが、世間的に14日、バレンタインは「女が」
チョコを贈る日。とされている。
きっとあの子はそれに反発を感じて、
チョコを用意することはないだろう。

昔から女のコみたいな外見がコンプレックスだったから。

ところが、人生とはまさに一寸先は闇だ。

この時期になって、思いもがけないところから連絡が来た。
ほんの、何回か食事して…まぁ、ほんの何回か。
名前だって呼んだことの無いような女。
ウチに来るって?止めてくれよ。
確か、一回部屋に来てんだよな…。場所が割れてる。

14日は久々にゆーっくり寝坊して、水槽の掃除と、
棋譜の整理と、本棚の整理と…。
まぁ適当にやりながらぐーたらしようかと思ってたのに。
下手に外に出ると、思わぬところで要らぬものを貰うからな。
それなのに、最後の砦を侵されるとなると…どこで過ごすか。
面倒臭い。
一人でホテルに逃げてもつまらんし、知り合いが居なくて一人で日帰りできて…。
買い物でもするか…て、俺、一人で買い物とかもたないんだよな。
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