偏った書庫

□迎えにいこう
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僕は『緒方さんの』気分転換に付き合わされただけらしい。
そりゃあ、僕も少し一緒に出掛けたいなぁとは思ったけど…。

ただ付き合わされるだけのお出掛けなんて、
何か腑に落ちない。

僕は居なくてもいいじゃないですか。

「僕、もっと棋譜並べたかったのに…。」
「最近あればっかりだろ?よく飽きないな」
「ほっといて下さいっ」

緒方さんのバカ。
知らず知らずの内に寄ってしまう眉間の皺を、
自分でも不快に感じる。

こうなったら意地でも気分転換してやる、
そんなヤケを起こして頑に外を見ていた。

緒方さんの方は見ないように。

ドライブの楽しみは景色…って言うのは本当だけど、時々緒方さんの横顔を盗み見るのも楽しみなのに。

今日はそんな気になれない。

「何だか機嫌が悪いな」

全く、誰のせいで…っ!
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