臨也受け小説

□君が好きなんだ(シズイザ来神時代
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「おはよ―・・・!?」

朝、教室に入ってみると、シズちゃんが目に涙を溜めながら机を持ち上げていた。

「ど、どうしたのシズちゃんッ?」

するとシズちゃんは、ものすごい形相でこちらを向いた。どうやら怒っているようだった。

「い、いざぁやぁ・・・手前、また昨日知らねえ男と一緒に居ただろ・・・」

「はぁ?」

なんだ、そんなことかよ・・・

「なんか静雄はねぇ、臨也がその男とヤってたんだと思って、嫉妬してるんだよw」

新羅が笑いながら言った。

「ねぇ、シズちゃん。俺たち別に仲良くないし、ましてや恋人ではないんだよ?そんなこと関係ないだろ?」

俺は別にその男とヤったわけではなかったが、シズちゃんの反応を見ようと、わざとしてたフリをした。

「ッ!・・・テメエ・・・まさか本当にやったのか?」

「あははッ・・・どうだろうねぇ♪」

「おい臨也、やめとけって。怪我するぞ・・・」

「あ、ドタチン心配してくれてありがとー♥」

そういって俺がドタチンに抱きつくと、シズちゃんはドタチンをにらみつけた。

「ちょッ、静雄ッ!俺別にそういうつもりじゃ、おちつけってッ!」

「あはは、静雄嫉妬深いねぇ・・・」

俺はこの生活が大好きだ。

こうやってみんなでバカみたいな話をしていられるのも、人生の中でほんの少しだけどね・・・。

(−家、・・・にいるときよりも、全然いい)

俺の家は、今父がいない。

だから代わりに、父の兄が家に居候している。

最初の頃は、良かった。

とても優しくて、かといってお節介を焼くわけでもなく、俺にとってはすごく素晴らしい養父だった。

でも、変わったから。

父の兄は、ある日突然俺を殴った。本当に突然だ。ついさっきまでは、仲良く妹達と食卓を囲んでいたのに・・・。

俺を殴って、倒れたところを馬乗りになって、何度も何度も殴った。

妹達は次の日、朝早く養父が起きる前に俺の寝床にもぐりこんできた。

「イザ兄・・・大丈夫?」

「兄・・・体・・・痣・・・」

めずらしく双子の妹達が、涙目になって心配してきた。

(−みていたのか・・・)

「・・・大丈夫だよ・・・心配するな。」

めずらしく俺も、泣きそうになった。殴られているときも、痛かったけど、泣くことはなかった。でも、妹達がこんなに俺を心配してくれていることが、温かくて・・・。

本当は、大丈夫なんかじゃなかった。

痛かった。怖かった。顔に痣も残った。
でも、こんなことでは泣いていられない。妹達を守るために、俺は強くある。

裏の力を使えば、あんな奴はつぶせるかもしれない。でも、逆上して妹達にまで手をあげたら・・・。そう思うと、できなかった。

今のところ、暴力を振るうのは俺だけだった。妹達には、いつもどおりやさしくせっしていた。

(まぁ、俺だけなら・・・大丈夫)

「臨也?どうしたの?考え込んじゃって・・・。」

「え?あ、新羅・・・うん。なんでもない」

「なんだ、男のことでも考えてんのかテメエ・・・」

「違うってばッ!!(笑」

「・・・ならいいがな・・・」

―そして、一日が過ぎた。
今日も家に、帰らなきゃいけないのか・・・。
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