novel

□†ひこうき雲
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そんな出逢いからもう2年が過ぎていた。私が何故遥に気に入られたのかは未だに分からないが、私は遥が話し掛けてくれた時からずっと気になっていた
私には無いものを持っている遥が眩しくて近寄り難かったのと同じくらい私は遥の傍にいたいと願っていたのだ

「さて…と」

つい漏れる独り言と共に私は歩き出す。授業なんて本当は無い。今日は卒論の資料を探しに来たのだから…
それなのに、遥に本当のことを言えずに嘘をついてしまったのは何故だろう?ただ、遥との思い出がたくさんあるこの場所であのまま遥の声を聞き続けることが私には出来なかった。寂しさに耐えられなくなりそうだったのだ

図書館に入り、キーワードを入力して資料の検索をする。途方もない数の資料から必要そうなものだけをリストアップしていく
そんな作業の合間にも遥のことを思ってしまい、遅々として作業は進まなかった


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