novel

□†例えばいつもの1日に
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朝、目が覚めると辺りはもう明るい。寝ぼけた頭で考えること数秒、慌ててベッドサイドの時計に手をやり時間を確認する

8:27 am


「えぇ〜…?」

思わず漏れた声は既に涙混じり。月曜日の朝、授業は1限から。授業の開始は9時、家を出るのは遅くても7時。どう頑張っても間に合う筈が無い

「1限は出欠取るのにぃ〜…」

頭ではもう間に合わないと認識しているのに、どうしても諦められない。とりあえず起き上がり支度を開始する
手にした時計を戻す時に目をやると、アラームはしっかりOFFになっていた

「はぁ…」

なんだかもう溜め息しか出ない。気乗りしないまま支度を済ませ、化粧も適当にスニーカーをつっかけて私は外に出た

「寒っ!!」

見上げた空には厚い灰色の雲が、僅かの隙間も無く我が物顔で広がっていた。今にも泣き出しそうな空に気分も憂鬱になってくる

駅の手前まで来ると電車が来ているのが見えた。急いで階段を駆け上がり“間に合う”そう思った鼻先でドアが左右から閉まり、私と電車内の空間を区切ってしまった

最早溜め息も出ない。こんな日は何をしても上手くいかないのだと、自分の中でどうにか納得しようと私は努力した


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