猫太郎の作文…2

□メッセージ
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大好きなあの人へのありったけの想いを込めてチョコを作る。

マフィンは好き?
ガトーショコラは?
クッキーはどう?

一番喜んでくれるモノを、直接聞きたいのをぐっとこらえて考える。
だって、喜んで欲しいけど、びっくりしても貰いたいから。

綺麗にラッピングしたチョコレートには一枚のメッセージカード。
添える言葉はただ一つ。




『     』




僕達2人の体を取り戻して、セントラルで暮らし始め早数ヶ月が過ぎた初めての2月の冬の日。

「なあ、アル―」
「何? 兄さん」

キッチンのテーブルに頬杖をついている兄さんを料理の腕は休めないままに振り向かずに答える。
軍に少佐として勤め始めた兄さんと久しぶりに過ごす日曜日。
だから今日のお昼は僕お手製のペペロンチーノだったりする。
もちろんパスタは僕の手作りで、我ながら上手く出来たものだと少し自慢できる一品だ。

「14日の夜さ―、出掛けないか?」

不意に兄さんがそんな事を言い出したので思わず振り返ると、兄さんは頬杖を付いたままこちらを見つめていて少しだけ僕の頬が熱くなった。

(…意味わかってるのかな…)

2月14日に出掛けるって…それってさ…

もしかしてデートのお誘いなのだろうかとドキドキしてきた僕に兄さんは言葉を続ける。

「レストラン行って飯でも食おう。早めに上がれるようにするから」
「に、兄さん…あの、それって…」

ドキドキうるさい心臓と徐々に熱くなっていく頬。
期待を込めた視線で兄さんを見つめる僕に兄さんはにっこりと笑った。




「ああ、デートをしよう」






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