猫太郎の作文…2

□jealousy
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視線の端でコント(?)が行われているにも関わらず、鎧の少年と黒髪の少女は楽しそうに雑談に興じている。

「メイってさぁ…絶対可愛くなるわよ。残念だったわねー」
あの子最初あんたの事好きだったんでしょ?

黒い黒髪。白い肌。
くりくりした大きな瞳。
今はまだ幼さが目立つけれど、成長すればきっとかなりの美人になるだろう。

「別にんなの興味ねぇよ!オレが気に入らないのは…っ…!!!」
「気に入らないのは?」

…ぐ…っ、と詰まったエドワード。
余裕の笑みを浮かべるウィンリィ。

そして相変わらずの二人。

「あれ? メイ、髪解けてる」
「エ…、あぁ…どこかに引っ掛けてしまったのでしょうカ…ちょっと直しまス」
「待って。ね、僕にやらせてくれないかな?」
「そ、そんナ!!!」
「ダメ?」
「い…いえ…お願い…しまス…」

恥ずかしそうに嬉しそうに髪紐を渡すメイと(多分)楽しそうにその髪紐を受け取るアルフォンス。
何処から取り出したのか、小さなクシを手にゆっくりと丁寧にメイの髪を梳いていく。

お団子は初めてだけど三つ編みは兄さんで馴れてるから任せて、とか
こんなに長い髪触るの初めてだよ、とか
…少女の髪を梳きながら穏やかな声で語りかける鎧と真っ赤な顔でハイ、と繰り返す少女の姿は何も知らない人間から見ればかなり異様だが鎧の中身が14歳の少年だと知っている人物から見れば仲の良いカップルに見えない事もない。


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