Eine kleine machtmusik
□パンドラの箱
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小さな小さな
「決して開けてはいけないよ」
とても神秘的な
「どうして?」
開けてはいけない
「それはね…」
その木箱
【──どうして──…‥】
ほら
中から聴こえるでしょう?
憎悪 絶望 後悔 悲哀 の
四重奏が──…
*',+'*パンドラの箱*'+,'*
「はぁ…」
一人の少女が溜息を吐いた
黒く長い髪に赤いリボンを付けた女の子
何処にでも居る様な、極普通の女の子
名を[舞浜 暁/マイハマ アカツキ]と云う
「巨大な溜息〜
幸せ逃げちゃうぞ暁」
その極普通の女の子に、極普通の女の子が声を掛けた
セミロングの黒髪と、校則より少しだけ短くしたスカート
そして、首にかかる十字架
彼女は名を[朝日 遊城/アサヒ ユウキ]と云った
「だってぇ〜〜〜〜」
「そんなに語尾伸ばされるとウザいわ」
ピシャリと冷たく言い放つ遊城
暁は机に突っ伏す
「ぅう〜…」
「‥‥」
「…」
「…」
暫く沈黙が続いた後、突然に暁は言を放った
「‥‥ずるい」
「何がよ」
遊城の当然の問いに、当たり前の様に暁は言った
「遊城」
足を組み頬杖をしながら暁と話していた遊城は、予測しえなかった答えに自身の腕から頬を解放してしまい机に頭をぶつけた