短編的資料集

□子犬のプレリュード
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普通なら進学に悩む時期なのだが勇二は違った。

1年ほど前から体調がよくなり始め、普通の生活も許可されたのだが進学する高校がきまっていた。
それは両親が心配して進学先を医療施設完備の高校に勝手に決めてしまったのだ。

しかし、今まで殆ど人と関わる事なく育った勇二は自分の意思を明確に表す術を知らずにいた。

そのため、勇二は両親の決めた高校に行くしかなかった。



そんなある日…

勇二「はぁ…はぁ…」

町中を勇二は走っていた。それを追う2人の獣人。

勇二は2人から逃れようと路地裏に逃げたがそこは行き止まりだった。

『はぁはぁ…手間かけやがって…』

『大人しく金出しゃあいいのによ』

2人は怯える勇二ににじりよっていく。
勇二はお金を渡してその場を修めようにも普段からあまり持ち歩いておらず、この日も一銭も所持していなかった。

『これだけ手間かけさせたんだ…金取るだけじゃあすまねぇぞ!』

勇二は怯え、目を瞑りその場にかがんだ。
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